爆笑問題「視聴者にボケが伝わらない悲しさ」 安倍晋三首相への忖度などはない
田中:「桜を見る会」に出たことで「いつも太田は『安倍はバカだ』とか言ってるのに、本人の前ではニコニコして媚びへつらって、完全に取り込まれたな」って思われて。
太田:あれで相当人気が落ちたね。
爆笑問題が「社会風刺」をやらない理由
――政治とのかかわりで言うと、爆笑問題は時事漫才をやっているから、社会風刺的なネタをやっていると思われがちですけど、実は風刺のようなことは漫才では一切やっていないですよね。だから、スタンスとしてはもともと左でも右でもないのかなと。
太田:個人的な思想はもちろんあるけれども、それを漫才に込めようとは思ってないから。なるべく笑いの多いものを選んでるだけなんだけど、周りがそれを意味づけしたがるっていうことはあるのかもしれない。
――茂木健一郎さんのように「アメリカの笑いは権力者への風刺があるから面白い」というふうに考える人もいるわけですが。
田中:ああいう人たちがいちばん厄介だね。頭が良くて、いろいろモノは知っているとされている人たちだから。
太田:笑いのセンスだけがないんだよね。ザ・ニュースペーパーのどこが面白いんだって(笑)。
田中:お笑いのなかで生きてないからね。「外国ではみんな時の権力者をギャグにしている! これが一流のお笑いだ!」みたいなことを勝手に学んで帰ってくるんだけど、それこそが本当に単純で、いちばん楽なんだっていう。
――日本の芸人で政治風刺をする人があんまりいないのは、やったとしてもそんなにウケないから、っていうことですよね。普通の人はそこまで求めていない。
田中:文化としてそういうのがあんまりないからね。昔からそういう人はいたけれども、その人たちがいちばんのスターになったかというと、そうじゃないわけじゃないですか。
太田:政治風刺っていうか、安倍さんの変なところをいじるみたいなことだったら、やりようはいくらでもあるよね。そんな程度のことをやっているザ・ニュースペーパーが偉いって言われるのは本当に納得がいかない。
田中:それはいいじゃない。ああいうのが好きな人もいるんだから。
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