「ワークマン」がオシャレになれた本当の理由 初出店のカジュアルウエア店舗は出足好調

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ワークマンプラスの店舗には連日、多くの人が訪れる(撮影:大澤 誠)

しかも、価格は4900円(防水パンツ込み)。「ストレッチ素材のレインウエアというのはその当時もあったが、値段が(透湿レインスーツの)4、5倍した」(栗山社長)。屋外で作業をする人だけでなく、釣りや登山などをする人たちにも受け入れられ、累計45万着を突破する大ヒット商品になった。

その後も、別のレインジャケットや防寒ジャケットがバイクに乗る人に愛用されたり、「すべりにくい靴」が妊婦に話題になったりと、「作業服じゃない」使われ方が広がっていく。そのうち、従来のPBのくくりでは収まりきらないような製品の開発も進み、2016年に3つのブランドを始めるに至った。

都心に進出する可能性は?

“じゃない使われ方”が加速度的に広まる中で、同社でもさまざまな変化が起きている。

1つは、宣伝やマーケティングだ。その昔のCMを見ると、吉幾三さんがトラックの前で作業服を着ているが、最近放送したものでは、透湿レインスーツを着た若い男性がランニングやブレイクダンスをしている。また、春夏と秋冬、それぞれの商品展示会には男女問わずブロガーを招く。フォロワーの多いインフルエンサーの口コミの影響力は計り知れないからだ。

製品開発にも工夫を凝らす。もとより作業員の意見などを聞いて、製品の改良などを行っていたが、最近ではブロガーのツイッター上でのつぶやきや、バイクに乗る人たちなどの意見も大いに取り入れている。アウトドア用など3つのPBにはそれぞれブランドマネジャーを配置して製品開発に取り組むだけでなく、生産・品質管理も強化。女性の利用が増えていることもあり、女性でも使える男性商品の小さいサイズなども拡充していく考えだ。

出店場所も大きく変わる。ワークマンといえば、下記のマップのとおり、ロードサイドに強みを持つが、ワークマンプラスが狙うのは、ショッピングセンター(SC)やホワイトカラーが多い地域への出店だ。採算性の面からいって、都心に進出する可能性は高くないが、それでも「商圏が合えば、採算の取れるSCのほかに、集客性が見込める場所にも出していきたい」(栗山社長)。

関東のワークマン所在地(画像をクリックすると、拡大できます。制作:荻原 和樹)

現状、1店舗当たりの年商は約1億円。今後、計画どおり従来の作業服中心の業態で1000店舗を出すことができれば、売上高1000億円はおのずから見えてくる。が、栗山社長が見据えるのはその先、つまり次の1000億円だ。すでに、法人向けの取り組みを強化するなどして、1店舗あたりの売上高を1.5倍に増やす取り組みが始まっている。

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