アメリカの強気相場はついに終わったのか 強気派と弱気派のそれぞれの「言い分」

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 10月15日、米株が先週急落したことで、過去最長となっている強気相場が終焉を迎えるのかどうか、投資家の見方が分かれている。 写真は11日、ニューヨーク証券取引所(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米総合500種株価指数<.SPX>が先週急落したことで、過去最長となっている米国株の強気相場が終焉を迎えるのかどうか、投資家の見方が分かれている。

以下に強気派、弱気派それぞれの主張を5つずつまとめた。

<強気派>

●企業利益

リフィニティブのI/B/E/Sによると、S&P500社の利益は今年23.1%もの増加が見込まれている。

●米景気

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は先週、米景気は「著しく明るい」と述べた。ストラテジストは、景気拡大期に弱気相場に入るのは珍しいとしている。

コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークの首席投資責任者ブラッド・マクミラン氏は「景気後退に陥らない時の相場下落は急速だが、短命に終わる傾向がある」と言う。

●金利上昇は問題なし

米国債利回りの上昇も、段階的であれば心配は少ない。ファンドストラットの調査統括、トーマス・リー氏は「弊社は米国がインフレ環境にあると考えている。そうした時、金利上昇は株価上昇を伴いがちだ」と述べた。

●相場調整は良い事

長期的な強気相場という意味では、相場の急落は良い事と考えられる。慢心した投資家が去り、割高な株価が修正されるからだ。ホライゾン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「リフレッシュのためには定期的な掃除が必要だ。それが終われば相場は上昇できる」と言う。

●自社株買い

企業の自社株買いはしばらく低調だった。しかし企業は今後も資金を自社株買いに回すと見られ、ゴールドマン・サックスのストラテジストらによると、S&P500社による自社株買いは2019年に22%増えて9400億ドルに達する見通し。

<弱気派>

●企業利益は見た目より弱い

今年は減税効果で企業利益が伸びたが、2019年のS&P500社の増益率は10%に鈍化する見通しだ。賃金上昇その他のコスト増を考えると、この数字でもまだ高過ぎるのではないかと懸念する投資家もいる。

●FRBの利上げ

パウエルFRB議長は最近、政策金利は中立金利の推計値に向かって上昇を続け、その水準をやや上回る可能性もあると述べた。一部の投資家は、利上げスピードが速すぎることを警戒している。

インベスコの首席グローバル市場ストラテジスト、クリスティナ・フーパー氏は「FRBの金融引き締めは行き過ぎかもしれない。利上げとバランスシート正常化という2つの手段を併用しているから、なおさらだ。これは経済成長を損ない、株式市場に混乱や不安定さをもたらしかねない」と述べた。

●政治の不透明感

米中貿易摩擦の激化がリスクとして指摘されている。

●債券利回り上昇

債券利回りは上昇し、魅力を増しており、投資家の資金が債券に流れ始める可能性がある。

●ハイテク株の反転

ここ数年、株価の高値更新を主導してきたのはハイテク、インターネット関連企業だが、足元の相場急落ではこれらの株が特に大きく下げた。

ハイテク株の下落が続くなら、他のセクターでは循環物色の穴を埋められないのではないかと一部の投資家は懸念している。

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