銀座線はなぜオレンジ?地下鉄「路線色」の謎 都営三田線は「赤」を丸ノ内線に譲って「青」に
ただ、それまでも銀座線の電車はオレンジ、丸ノ内線は赤といったように、路線ごとに電車の色は異なっていた。これ以前は、ラインカラーという考え方はまったくなかったのだろうか。都営地下鉄を運営する東京都交通局にたずねると、次のような答えが返ってきた。
「1970年まで、都と営団地下鉄は独自のラインカラーを設定していました。当時、浅草線は緑、三田線は赤を使用していました」
路線を色で案内するという概念は乏しかったというものの、一応は独自のラインカラーがあったわけだ。だが、地下鉄網の拡大により、営団・都営を問わず路線の識別をはっきりすることが必要となった。
「ラインカラーを設定することにより、お客様の乗り間違いを防ぐとともに、大手町のような多数の路線が集まる複雑な駅においても、乗り換えをわかりやすくすることが急務でした。これをふまえて、1970年7月、交通局は営団と覚書を取り交わし、ラインカラーを定めました」(東京都交通局)
営団と都営の協力で実現
また、営団地下鉄の歴史をまとめた『営団地下鉄五十年史』には次のような記述がある。
営団はこれに対し、まず昭和45年7月、東京都交通局と覚書を交わし、路線別の色彩を決定することにした。
都内の地下鉄ネットワークが急速に拡大した昭和40年代、複雑化する路線網のわかりやすさを求め、営団と都営の協力によって現在に至る東京の地下鉄のラインカラーは生まれたのだ。
『営団地下鉄五十年史』では、その後旅客案内サインシステムの導入や、シンボルカラーの積極的な活用について述べられている。現在も形を変えて使われている、ラインカラーを使った円形のサイン類なども、この流れの中で登場した。こういった経緯を経て、東京の地下鉄はカラフルになっていった。
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