銀座線はなぜオレンジ?地下鉄「路線色」の謎 都営三田線は「赤」を丸ノ内線に譲って「青」に
では、各路線の色はどう決めたのか。東京メトロによると、色の基準は都営地下鉄側と重ならないよう協議しつつ、明るく識別しやすい色を配分し採用したという。また、当時すでに開業していた5路線(銀座線、丸ノ内線、日比谷線、東西線、千代田線)は、車両の色に合わせたラインカラーとした。
同社によると、各路線のラインカラーとその選定理由は以下のとおりだ。
●丸ノ内線:レッド(地下鉄建設調査でロンドンを訪れた営団関係者が見た、イギリスのタバコの包装の色を参考にした赤い車両の色から)
●日比谷線:シルバー(初のステンレス車の車両の色から)
●東西線:スカイ(ステンレス車で他線と区別するために車体に取り入れた水色のラインから)
●千代田線:グリーン(ステンレス車で他線と区別するために車体に取り入れたグリーンのラインから)
●有楽町線:ゴールド(ラインカラー制定後に開業。他と重複せず、識別しやすい色。『有楽町』という語感から『都心のオフィス街』などをイメージ)
●半蔵門線:パープル(ラインカラー制定後に開業。他と重複せず、識別しやすい色)
●南北線:エメラルド(ラインカラー制定後に開業。他と重複せず、識別しやすい色。沿線に点在する庭園をイメージ)
●副都心線:ブラウン(ラインカラー制定後に開業。他と重複せず、識別しやすい色)
都営地下鉄はどう決めた?
一方、東京都交通局は色の選定理由を回答しなかった。ただし、重ならないように配慮していることはひと目見てわかる。交通局によると、「当時(1970年)、三田線は赤のラインカラーでしたが、赤を丸ノ内線に譲って青となり、車体の側面の帯も赤から青に変更しました」とのことである。現在三田線を走っている電車(6300形)には青に加え、細い赤のラインも入っている。
ちなみに都営地下鉄の色は、都営浅草線が「ローズ」、都営三田線が「ブルー」、都営新宿線が「リーフ」、都営大江戸線が「マゼンタ」である。
路線図を見て目立つのは、やはり赤系の色の路線だろうか。東京メトロ丸ノ内線、都営浅草線、都営大江戸線の3路線が赤系のラインカラーだが、色の違いははっきりしている。都営大江戸線(当時は都営12号線)の色はピンク色がかかっていて若干派手に思えるが、1986年制定とのことで、景気がよかった時代の決定ゆえかもしれない。なお、「13号線」である東京メトロ副都心線のラインカラーも、このときに決められた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら