グリー、ガチャ操作プログラム問題の深刻度 「アナザーエデン」に1年以上組み込まれた
ガチャをめぐる不具合や”炎上”自体は、スマホゲーム業界ではたびたび発生してきた。多くは確率表示やシステムトラブルに関するもので、中には景品表示法に違反する行為と見なされた事案もある。たとえば、中国のアワ・パーム・カンパニー・リミテッドが運営していた『THE KING OF FIGHTERS '98 ULTIMATE MATCH Online』では、特定キャラクターの出現率を実際よりも高く表示し、景表法の定める「有利誤認」(実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの)に当たるとして消費者庁から措置命令を受けている。
今回の件について、グリーはすでに消費者庁に出向き、説明を行ったという。ただ景表法違反に関しては「本ゲームの全期間のガチャの提供割合を調査したところ、ゲーム内の表示通りの提供割合と統計的に考えており、景表法上違反しているものではない」と否定している。
実際、グリーの調査によると、サービスを開始して以降、全期間での星5排出率は3.26%と、ゲーム内表記と差はなかった。星4、星3についても±0.01%の差にとどまっている。景表法の有利誤認に当たるかは微妙なところだ。
景表法違反に当たらないとしても、問題がないとは言いがたい。今回の件が従来の不具合や炎上案件と異なるのは、「ガチャの結果を操作するプログラムがユーザーに告知されることなく意図的に組み込まれ、その状態が1年以上の長期間続いていた」という点だ。
ガチャ結果を歪めるプログラム
ガチャの運営について、主要ゲーム会社で構成される業界団体、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)はガイドラインを設置している。グリーもそれに準拠した運営を行っていると発表しており、グリーの田中良和社長はCESAの理事も務めている。
そのガイドラインでは有料ガチャを「金銭、または金銭で購入できる仮想通貨を直接の対価として行うことができるランダム型アイテム提供方式」と定義している。そしてランダム型アイテム提供方式については「偶然性を利用してアイテム等の種類が決まる方式によって提供する方式を言う」としている。最終的に提供確率がゲーム内表記と一致していたとしても、今回のようなガチャ結果を歪ませるプログラムが組み込まれていた場合、ランダムにアイテムが提供されているとは言いがたい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら