初試算!満員電車の経済損失は年間3240億円

首都圏の通勤時遅延、ストレスを金銭換算

ここまで算出した経済損失を合計すると、1300億円+1200億円+740億円+αの年間3240億円以上という試算になる。繰り返しにはなるが、これは首都圏だけでの試算であり、関西などの損失はここには含まれていない。

こうした混雑を解消するためには、混雑時間帯によって運賃を変動させるピークロードプライシングの導入や、単純に電車の編成長を増加させる施策などが考えられるが、いずれにしても相互直通している会社間が密に連携し腰を据えて対応することが必要になるだろう。

ハード・ソフト両面から混雑解消へ

混雑緩和への鉄道各社の取り組みは、2018年7月2日より、時差BizのWebサイトでは「鉄道事業者取組レポート」からも見て取れる。このリポートから、多くの鉄道事業者が混雑状況の見える化に取り組んでいることがわかる。現状では各社が独立して混雑解消に取り組んでいるが、先に述べたような首都圏全体での混雑緩和のためには、調査手法の共有・混雑指標の統一・表示方法のガイドライン制定といった鉄道会社を横断するような取り組みが必要かもしれない。

実施済みの取り組みとしては、最近では2018年3月の小田急線複々線化が挙げられる。このようなハード面での抜本的改善は、効果が大きいものの実現までの障壁が多く、かつ時間もかかる。他方ソフト面では、2017年から開始された時差Bizの影響もあり、フレックスタイムのような企業主導で実現可能な混雑分散も浸透しつつある。

こうした取り組みは、ナビタイムジャパンでも取り組んでいる車両レベルでの混雑情報の見える化など需要を分散させるソフト面と、鉄道各社の設備増強など供給を強化するハード面の両方を整えていくことで、さらに推進していくことができるだろう。それにより、首都圏の公共交通網は東京オリンピックを乗り越え、かつ生かし、そして一歩ずつ着実に「満員電車ゼロ」の実現へ近づくことができるのではないだろうか。

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