個人のスマートフォンを授業で使うこともほとんどない。主な理由としては、ネット使用に伴うトラブルを回避したい学校の思惑と、パソコンやWifi整備に教育予算がまわらない自治体の事情がある。
無論、パソコンを使うスキルさえあれば良いわけではない。情報セキュリティやSNSなどのメディアを理解するなどのITリテラシーも求められる。また、教師が学習データを分析するだけでなく、学習者本人がスキル分析によって自己評価することも可能である。
そうすることにより、職業に就くためのスキルをいつ、どの段階で、どのような手段によって身に付ければよいかなどを知れる。スキル分析によって自己評価することも可能な時代なのだ。学びで得られた情報をそのまま記憶するのではなく、それを分析したり評価したりして、自分で考えられるようになることが求められている。
教育のブルー・オーシャン戦略を見出そう!
子どもたちがネットを使いこなすことによって情報発信力をつける——。これこそ、これからの時代に必要な教育のカギとなる。発信するために文章を書き推敲することも当然だが、映像をどう見せるか、いろいろな情報を集めてどう編集するかというメディアリテラシーを育むことも重要となる。
日本の教育は知識の習得に重きを置きすぎてきた。これからは、情報を閉ざすのではなく、子どもたちが自らの知見をインターネットでどのような方法で効果的に発信し、それに対する他者からの意見を気づきに変えていく教育が重要となるだろう。
日本はこれまで、激しい競争が繰り返される市場で経済を成長させる「レッド・オーシャン戦略」をとってきた。他方、ラストリゾートと呼ばれていた教育のICT市場を開拓しあぐね、時間を浪費し続けた結果、子どもたちのITリテラシーの低下を招きかねない状況になっている。
これからサステイナブルに経済成長を続けるためには、日本の教育市場にバリュー・イノベーション=新しい価値観を提供し、市場を切り開くといった、「ブルー・オーシャン戦略」を見出すことが日本再興の処方箋となるだろう。
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