巨大災害相次ぐJR貨物、値上げで打開なるか

環境問題やドライバー不足の「好機」生かせず

在来線を走る貨物列車は自然災害に弱く、JR貨物の経営にも影響を及ぼす(写真:yamagaku/PIXTA)

待ち望んでいた列車は、結局、現れなかった――。

7月の西日本豪雨により沿線各所で多数の被害を受けたJR山陽本線のうち、最後まで運休が続いていた広島県内の三原(三原市)―白市(東広島市)間が9月30日、ようやく運行を再開した。

9月30日朝、JR山陽本線の三原駅から白市方面に向かう乗客(記者撮影)

同区間は盛り土崩壊など被害が大きく、再開は11月中になるとみられていたが、「思ったよりも早く再開できて、お客様からお褒めの言葉をいただいた」と、三原駅の高田敏明駅長は顔をほころばせる。

日曜日の朝ということもあり、三原駅で列車を乗り降りする客は決して多くなかった。それでも広島方面への鉄路が確保され、この地域の足が平常に戻りつつあることを実感させた。

「山陰線輸送」は話題になったが輸送力はわずか

この日は、もう1つのうれしいニュースがあるはずだった。三原―白市間の復旧による、本州と九州を結ぶ山陽線貨物列車の全線運転再開だ。

本州―九州間では1日に数十本の貨物列車が行き交う。「本州から九州へは宅配便、飲料、雑誌、工業製品などが運ばれ、九州から本州へ運ばれる貨物は農産物が大半」とJR貨物(日本貨物鉄道)の担当者は話す。

7月の豪雨による山陽本線の被災に伴い、まずトラックや船舶による代行輸送が実施された。しかし、手当てできるバスや船舶の数には限りがあり、その輸送量は貨物列車の2割程度にすぎなかった。

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そこで8月28日からは倉敷から伯備線、山陰本線、山口線を経由して新山口に至るといった迂回ルートによる輸送も始まった。とはいえ、運転するのは1日わずか1往復。機関車が牽引できる貨車の数も山陽本線の最大26両に対し、6~7両にすぎない。新聞やテレビに何度も取り上げられ大きな話題を集めた割には輸送力不足の解消にはほど遠い。抜本的な解決策は山陽本線の全線復旧以外にありえなかった。

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