中野:少なくともこの3年間は、経済的には厳しい時期になりそうですね。
渋澤:というところで、藤野さん登場(笑)。
藤野:いや、すみません。今日はなかなか会社を抜けられず。
中野:今、安倍政権3期目は期待できるのかどうかという話をしていたところです。経済的には厳しいのかなと。
藤野:安倍首相の関心事は、もう完全に改憲ですよね。過去、改憲の話が出たときの株価はネガティブです。しかも、2019年10月に行われると言われている消費税率の10%への引き上げについて、安倍首相は「予定どおり行っていく考えだ」と言っているわけですから、何かよほどとんでもないことが起こらないかぎり、消費税率は10%になります。そうなると、株価も含めて、2019年秋口以降の日本の経済は、慎重に見ざるをえません。まあ、ポジティブにはなれませんよね。
渋澤:だから「バラマキ」をかなりするのですよ、きっと。
中野:でも、今の政権にバラマキをやる余裕は、どこにもないでしょう。
安倍政権は消費増税分の「激変緩和措置」を導入する!?
藤野:今、永田町界隈で言われているのは、消費税の増税分を全額、初年度は戻す。2年目は半分戻す。3年目は10%だけ戻すというようにして、いわゆる激変緩和措置を入れるということですよね。これがバラマキかどうかは何とも言えませんが、消費税率を引き上げる一方、徴税した分を還元することによって、ネガティブインパクトをできるかぎり軽減させるということなのでしょうね。
中野:でも、そんなことをやって、どんどん重くなる社会保障コストはどうやって賄うのですか。
渋澤:そもそも、どうやって税金として取った分を、世の中に戻すのですか。
藤野:どうやって戻すのかという点については、おそらく公共事業や教育費の充実などを通じて行うと考えるのが妥当でしょう。それに、この案は時限的な激変緩和措置ですから、現時点では、3年が経過してからの消費税増税分は、そのまま社会保障コストを賄うのに用いられます。確かに、消費税率が10%になると「ああ、高いな」と思うでしょうが、慣れるんですよね。日本人って、グランドデザインを描くのは下手ですけど、現実を受け入れるのは得意ですから。
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