鹿島、労務費高騰で利益なき繁忙

受注高は増額、営業利益は減額

特に震災復興関連の中では、労務費が高騰する前に受注したものも多く、その後、労務費が高騰するにつれ、採算が低下した案件が多かった。「今後も労務費の上昇は予想され、どう収益に影響していくのか、不透明な部分が多い」(山内秀幸常務執行役員)。

土木部門は機械化効くが、建築部門が営業損失に

ただ、単体ベースで、土木と建築の採算を見てみるとその差が歴然としている。

土木部門の場合、上期実績の売上高は1371億円に対して売上総利益は220億円で売上総利益率は16.1%と高く、部門営業利益は140億円となった。通期予想でも売上高2900億円に対して売上総利益は400億円で売上総利益率13.8%、営業利益は229億円を見込んでいる。

これに対して建築部門は、上期実績で売上高3277億円に対して売上総利益37億円、売上総利益率1.12%と薄く、部門の営業損益は128億円の損失となった。通期予想でも売上高7200億円に対して売上総利益195億円、率は2.7%、営業損益は151億円の損失を見込んでいる。労務費の高騰で、建築部門は利益が出ない状態になっている。

土木の売上総利益率が16%を超えることは過去の実績と比べても最高水準に近いものだ。「建築と比べると、重機などによる機械化、効率化が進んでおり、人件費に利益が大きく左右されにくい」(山内常務)という。

たとえば、最近、貫通した東京都品川区の臨海副都心と大井を結ぶ一般国道357号西行き海底トンネル工事。泥土圧式シールド工法で延長約1470mのシールド工事が行われた。ここでは工程短縮を実現するため、地上から後続台車を連結して発進し、そのまま地上へ到達する工法を採用した。一般的には、発進・到達それぞれに深い立坑を設け、地下から発進し地下へ到達するので、後続台車などを地上から降ろして装備する手間が発生する。地上発進・地上到達とすることで、この手間が省略できた。あくまで一例にしかすぎないが、土木の場合は、かなり省力化、効率化が進んでいる。

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