共和党大慌て!中間選挙で「大負け」の可能性 「青い波」が勢いを増している

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経済への関心が低下している以上、その好調さをいくら強調しても、有権者の心には響かない。ロシア疑惑などにも連なる「政府の腐敗」など、共和党にとっては弱みとなるような争点への注目度が、相対的に高まっているのが現状である。

強い経済を支えているはずの減税も、共和党の追い風にはなっていない。世論調査では、昨年12月に共和党が成立させた減税について、「支持する」という回答が伸び悩んでいる。「金持ち優遇」「大企業に有利な減税」といった民主党の批判が、効果を発揮しているようだ。

攻勢にでている民主党は、「減税による財政赤字の増加によって、年金や医療保険の財政が危うくなった」と論陣を張る。実際に、遊説などで減税をとりあげるのは、成果を誇るはずの共和党の候補者ではなく、これを格好の批判の材料とする民主党の候補者である場合が目立つという。

劣勢をあまり信じないトランプ支持者

トランプ大統領の保護主義的な言動も、共和党に役立っている証拠は確認できない。むしろトランプ大統領が、巨額の貿易赤字など、アメリカ経済の問題点を強調する結果となってしまい、ただでさえ威力が発揮できてない「好調な経済」のメッセージを、さらに希薄化させかねない点が危惧されている。

そもそも、通商政策に対する有権者の関心は低い。前述のギャロップ社の調査によれば、通商政策や貿易赤字を最重要課題とする割合は、わずか1%である。製造業の存在感が大きい中西部ですら、オハイオ州の世論調査によれば、最も有権者が争点として注目しているのは医療保険であり、通商政策への関心は、年金や移民、銃規制、さらには安全保障といった論点よりも低い。

熱狂的な支持者の問題は、トランプ大統領の言動を信じるあまり、共和党の劣勢に対する危機感が浸透しない点にある。どうやらメディアが報じる「青い波」は、フェイクニュースにすぎないと思われている節があるようだ。

トランプ大統領も共和党の劣勢を認めようとしていない。象徴的なのが、8月6日のツイートである。「われわれはすべての側面で勝っており、『青い波』などありえない。あるとすれば『赤い波』だ」と、共和党のカラーである「赤」にちなみ、「赤い波(Red Wave)」を予言してみせた。

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