ホンダがCR-Vとシビックを日本復活した意味 軽と小型車に偏った車種構成の弱点を補強
発売されたCR‐Vの今年8月の販売成績は、実は、マツダ「CX‐8」に次ぐ順位であり、CX‐5の30位よりは下だがCX‐3より上位という、30位台のSUV群の塊の中にいる。21位の日産自動車「エクストレイル」や、22位のSUBARU「フォレスター」より順位は低いが、一世を風靡してきたマツダのSUV群と遜色ないと言っていい位置づけである。
ホンダにとってのCR‐Vの復活
新車効果を満喫する初速とはいえ、販売台数から察すれば、シビック同様に、CR‐Vの復活は、ホンダにとって、悪くない成果を残していると言えるのではないか。
というのも、近年のホンダの売りは、「N-BOX」をはじめとする軽自動車のNシリーズと、小型車「フィット」、その派生といえる「シャトル」といった小さなクルマたちが中心で、それらに続くのが、ステップワゴンやヴェゼルなどである。いずれにしても収益率の高い大きなクルマは含まれない。もし、シビックとCR‐Vがまだ市場になければ、より大きなクルマでは販売台数ベスト50に入ってくるのがオデッセイしかないことになる。
これでは、ホンダ本社はもとより、販売店は成約と納車の手続きで忙しいが、手元の儲けは伸びないという状況があったのではないか。
自動車販売店の収益は、新車販売以外には車検・点検や修理などのアフターサービスや自動車保険、中古車販売などで稼ぐ。それらの売り上げも、高価格帯の車種になればなるほど大きくなっていく。買い替え時に下取りできる中古車の価格や粗利も大きくなる。
消費者の多くは、手頃な大きさと価格で商品性に優れるクルマを買いたいと小型車に人気が集中したとしても、販売店にとっては高額商品も不可欠なのである。
トヨタ、日産、ホンダと国内の3大メーカーで、軽自動車や小型車に商品の偏りが強かったホンダに、品ぞろえの調和が取れてきたという側面はある。ただし、CR-Vは発売されたばかりで新車効果が大きく出る。一方、シビックは発売1年を過ぎて新車効果が剥落する。2車種復活の成功を見極めるには、もう少し時間をかけたほうがいいだろう。
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