直撃!「普通の人たち」が語る今の北朝鮮 金正恩氏の経済政策を称賛するが、実際は?
北朝鮮では広告産業もよちよち歩きだ。化粧品工場のリェさんは、販売促進用の素材も自社で内製していると報道陣に話してくれた。
平壌の人々によれば、新しいレストランができたときも宣伝によって開店を知ることはまずないという。話題の飲食スポットの情報はたいてい口コミで伝わるのだそうだ。
先日の軍事パレードで、経済と並んで北朝鮮指導部が打ち出していたもう1つのテーマが韓国との関係改善だった。「輝く祖国」と題して行われたマスゲームのエンディングでは、南北融和のモチーフがはっきりと姿を現した。
「同じ朝鮮民族なのだから反目し合う理由ない」
普通江(ポトンガン)の百貨店で最近購入したという電動自転車を自慢げに乗り回していた若い男性は、南北の経済協力が近く始まることを期待していると話した。「経済プロジェクトでは、いろいろな交流が行われることになると思います。いいことだと思います」と、この男性は語ったが、近く始まりそうなプロジェクトについて具体例を挙げるのには苦労していた。
シルク工場のキムさんは、政府の監視役が「韓国問題」と呼ぶ話題については、あまり話したがらなかった。「私たちは同じ朝鮮民族です」と、キムさんは言った。「反目し合う理由はありません」。
ただ、平壌化粧品工場のリェさんは、近く経済協力が行われるのではないかと見ている。「最高指導者であられる金正恩同志は新年の辞で、朝鮮民族の統一と幸福のためにわれわれは全力を尽くさなければならないと明確に述べておられます。最高指導者は朝鮮の再統一に向けて素晴らしい仕事をしておられます」。
リェさんはさらに続ける。「このような努力が結実したときには、そのような(南北経済)協力が可能になるのではないでしょうか」。