10月米雇用統計、予想上回る 非農業部門雇用者数、20.4万人増
[ワシントン 8日 ロイター] - 労働省が8日発表した10月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比20万4000人増となった。
予想の12万5000人を上回って増加したことで、10月前半の政府機関の一部閉鎖にもつながった議会での財政協議のこう着は、懸念されたほど経済に大きな影響を及ぼしていないことが示された。
ただ失業率は7.3%と、前月の7.2%から上昇。予想と一致した。
雇用者数が予想を上回って増加したことで、米連邦準備理事会(FRB)が予想より早い時期に現在月額850億ドルのペースで実施している資産買い入れプログラムの規模縮小に着手するとの観測が高まる可能性がある。
ただ、10月の雇用統計が予想を上回る結果となったものの、9月までの3カ月間は消費支出が鈍り、企業在庫が増加するなどしているため、第4・四半期は経済成長が鈍化するとの見方は変わらないと見られる。
議会で予算案が不成立となったことで10月1日から16日まで一部政府機関が閉鎖される事態となったが、労働省は閉鎖によるものと明らかに認識できる影響はなかったとしている。
アメリプライズ・フィナンシャル・サービシズのシニアエコノミスト、ラッセル・プライス氏は「政府機関閉鎖は一時的な事態で、米経済の成長は継続するとの見方が企業の間で出ていたことが示された」との見方を示した。
また、ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクの地域最高投資責任者(CIO)のキャメロン・ヒンズ氏は、「FRBが非公開で何を協議するかは今後明らかになることだが、少なくとも12月もしくは1月の緩和縮小の可能性について何らかの再検討がなされることは確実だ」と述べた。
10月の統計を受け、過去1年間の毎月の増加数の平均は19万人を超え、労働市場の力強さが増していることが示された。
8、9月分は当初発表から合計6万人上方修正。10月の政府機関閉鎖前から米経済が上向いていたことが示された。
ただ10月は労働人口が72万人減少。労働参加率は62.8%と、1978年3月以来の水準に低下した。労働省は、政府機関閉鎖中も職員は労働力として数えられたため、政府機関閉鎖は労働参加率の低下に影響していないとしている。
就業者数は73万5000人減少。労働省は政府機関閉鎖中に職員が一時帰休となったことが一部影響したとしている。
10月の雇用増はすべて民間部門のもの。政府部門は8000人減少した。
民間のサービス業部門では、レジャー・接客業が5万3000人増。4月以来の大きな伸びとなった。専門職は4万4000人、小売業は4万4400人、それぞれ増加した。ただ卸売業は5400人減少した。
製造業部門は1万9000人増となり、前月の4000人増から伸びが加速、2月以来の大きな増加となった。建設業は1万1000人増加した。
平均週間労働時間は34.4時間と前月から横ばい。時間当たり賃金は前月比2セント増の24.10ドル。前年比では2.2%増となる。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら