「財布は別」共働き夫婦が離婚しやすい理由 男と女がもめがちな「3つのお金問題」
にもかかわらず、50歳以上の人だけでなく、30~40代の比較的若い人も、親から植えつけられた価値観を持つ人が結構強いように思います。実際に、相談者にお話を伺うと、夫が親御さんの価値観を刷り込まれていて、妻にはそれがまったく受け入れられず、拒否している人も大勢います。結婚前つき合っていたときには気にもとめていなかったことも、一緒に暮らし始めると、そこに「大きな溝」が現れてくるようです。
もっと具体的に言いましょう。「長男重視」「男尊女卑」の強い環境で育った夫は、母親の姿を妻に求めがちです。朝早くから寝るまで働き、不平不満を言わない母は、自己主張も表面的にはしませんでした。こうした姿勢を、いつの間にか妻にも求めているのです。
逆に言うと、昔の家督相続の中で育った長男は、良い意味で「帝王教育」をされていることも多かったのです。困った人、弱い人、女性、子供に対して、全身全霊で身を粉にして尽くしていました。だから、財産を引き継いだ以上に多くのことも引き継ぎ、世のため、家族や一族だけでなく他人のためにも働き、人徳もありました。
しかし、残念ながら、今はこうした部分は都合よく省いて「おいしい」部分だけを見て、「俺様」になっているタイプの男性、また、そんな父親を見て育った男性は、表面的な父の威厳の部分だけを真似しているのです。
妻も「自分の父親」の姿勢を夫に求めている?
一方、実は「家督気質の家庭で育てられた女性」にも、問題があります。自分自身は良妻賢母の母を真似るのではなく、父親の姿を夫に求めてしまうことです。
父は汗水流して働いているのに、母は外で仕事しなくても、何不自由なく家で悠々自適に暮らしていたように見えていたのかもしれません。読者はおわかりのように、実際はそう見えていた母親も、夫を立て、夫の親、親戚など大切な人にも気配りを欠かささず、夫以上に気苦労が絶えなかったはずです。しかし、やはりそうしたところはほとんど見ていないものです。
父が真面目に働き、給料はすべて母に預けて家計を任せることで、家事に専念させ、子供を不自由なく育てたそのままの姿を夫に求めてしまいます。しかも、昔は給与体系が年功序列で、真面目に会社に行きさえすれば、エスカレーター式に昇給しました。今とはずいぶん違うので、同じことを求めるのは酷でしょう。
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