銀座が「カフェの聖地」として別格である理由 「名店」も「女給」人気も、ここから始まった

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大人気の店だったが、関東大震災で崩壊。それ以降は、コーヒー焙煎業として事業活動を続け、戦後の1970年に少し離れた銀座8丁目で復活した。復活後も人気店で、来日中のジョン・レノンとオノ・ヨーコが、3日続けて訪れたエピソードでも知られる。

2014年9月には、同じビルの2階に店舗を拡大してリニューアルオープン。1階と合わせて約100席となり、大正期の座席数にほぼ並んだ。

ドトール創業者も「銀座」にこだわった

銀座8丁目から、もう一度、4丁目交差点に戻ろう。現在の三愛ビルには「ル カフェ・ドトール」という店がある。開業して今年で20年になる、ドトールの一業態だ。

「ル カフェ・ドトール」(筆者撮影)

創業者の鳥羽博道氏(現・名誉会長)は、この場所への出店には特別な思いがあった。筆者も何度か同氏を取材したことがあり、かつて次のように話していた。

「企業の本社や旗艦店は、成長発展につれて、それにふさわしい体裁を整えなければなりません。4丁目交差点の一角に建つ、銀座・三愛ビルといえば、日本を代表する商業スポットです。そこにテナントとして出店するのは、収益力の高い企業の証といえます。ドトールコーヒーを創業して以来、念願だった日本一の立地に店を出すことができました」

取材をした場所は、銀座5丁目に鳥羽氏が購入した自社ビル(鳥羽珈琲株式会社の本社)だった。このビルの地下1階には「ロイヤルクリスタルカフェ」という超高級店がある。店の内装から什器まで、鳥羽氏の思いが体現されている。

「神乃珈琲」のブレンドコーヒーとパスタセット(1814円)(筆者撮影)

たとえば「ハワイコナ」(自家農園で収穫されたコーヒー豆)をサイフォンで淹(い)れたコーヒーは1700円。「ロイヤルクリスタル・アイスコーヒー」は1500円だ。運営はドトールコーヒーではなく鳥羽珈琲が担う。

そのドトールは、昨年「神乃珈琲」(かんのコーヒー)という高級店を同じ5丁目に出店。鳥羽氏の店から徒歩数分の場所だ。こちらは“究極の日本の喫茶”として、「ゲイシャ種」と「ティピカ種」を用いた2種類のブレンドコーヒーを、各1026円で提供する。

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