日本の「水力発電」を増強する4つの改革案 「再エネのエース」をどう活躍させるか

水力発電増強を阻むバックアロケーションの問題
水力発電増強を阻んでいるものの1つは、バックアローションの問題です。施設を造るとき、利益を得る者が建設費用を負担すべきだとする原則があり、この原則を後から参加した利用者に適用することを、「バックアロケーション」と呼びます。
私たちが計画している、木戸ダム(福島県楢葉町)という多目的ダムに新たに水力発電設備を設ける事業の場合、バックアロケーションは44億円という巨額になります。試算してみるとFIT(固定価格買い取り制度)を使って20年間に得られる総収入のうち、3分の2がバックアロケーションで消えてしまうのです。
これは木戸ダムだけではなく、中小水力発電のほとんどに当てはまる事態であり、バックアロケーションは事業化を阻む大きな壁となっています。
福島で水力発電増強の計画を推進するうち、このほかにもさまざまな壁があるとわかってきたのです。
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