理事総辞職、山根無きボクシング連盟の苦難 東京五輪に出場できるか否かの「瀬戸際」に
告発状の中で日本ボクシング連盟が認め、謝罪したのは「助成金の不正流用」についてだ。
リオオリンピックにライト級で出場した成松大介選手(28)に対して、JSCは2015年に助成金240万円を交付した。だが、日本ボクシング連盟幹部からの強い要請があり、3等分をして他の2選手に80万円ずつ渡していたことが成松選手の証言から発覚した。これは助成金の不正流用となり、日本ボクシング連盟はこの事実を認めJSCに謝罪している。
第三者委員会が設けられた経緯
日本ボクシング連盟は、管理運営に適正さを欠いていることはこの不正からも分かる。JOCの加盟団体規程第15条にあるように、日本ボクシング連盟は助成金の支給停止や減額の処分を逃れることはできないだろう。この危機的状況が改善されずに、資格停止や除名となれば、ボクシング日本代表は2020年の東京オリンピックに出場できなくなってしまうおそれもあった。
このような経緯もありJOCの竹田恒和会長は、疑惑だらけの日本ボクシング連盟に早急にガバナンスの立て直しを行うように指示をした。これに対して日本ボクシング連盟は、8月20日に疑惑調査をする第三者委員会を設置した。
スポーツ団体内で不祥事が発覚した場合、迅速な事実関係の把握が求められ、不祥事に関わる人物から聴取調査を行うのが通常の流れだ。
だが今回の日本ボクシング連盟の騒動のように、数多くの疑惑がある山根氏に対して同連盟の役員らが調査を行ったとしても、公正・中立な調査結果を得ることは期待できない。
そこで、JOCと日本スポーツ協会は、弁護士等の外部の有識者で構成された第三者委員会を設置して関与調査を行うことを同連盟に提案していた。
調査する第三者委員会のメンバーは、元日本弁護士連合会(日弁連)会長の梶谷剛氏が委員長に就任し、弁護士の板橋喜彦氏と若林直子氏、元警視庁刑事の大場良明氏の4人で構成されている。第三者委員会は、28日までに調査結果と今後の組織運営についてJOCと日本スポーツ協会へ文書で報告する予定となっている。この4人で分担しながら調査を進めていくことになる。
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