三陸鉄道に移管「JR山田線」復旧工事は順調か

宮古―釜石間には実質的な新線建設区間も

宮古駅では三陸鉄道北リアス線(左)とJR山田線(右)の列車が並ぶ(撮影:久保田 敦)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2018年10月号「海山二つの顔の山田線」を再構成した記事を掲載します。

被災線区は太平洋岸の広域に及んだ

2011年3月11日、東日本大震災が発生し、津波によって三陸は未曽有の被害を受けた。青森県から宮城県にかけてはJR八戸線、三陸鉄道北リアス線、JR山田線、三陸鉄道南リアス線、JR大船渡線、気仙沼線、石巻線、仙石線、さらに原発事故が輪をかけた常磐線など、被災線区は太平洋岸の広域に及んだ。

それでも三陸鉄道は被害が軽かった北リアス線の一部区間で震災5日後には復興支援列車の運転を敢行し、沿線を支援するとともに鉄道を存続させる意思を表明した。それから3年後の2014年4月、5日に南リアス線、6日に北リアス線が全線再開を遂げ、当日は1984年の開業日を彷彿とさせるほどの活況で、祝賀ムードに溢れた。

この全線復旧に際しては、東日本大震災に限って既存の枠組みを超えた災害復旧支援制度が設けられ、上下分離により自治体も路線存続を担保するという前提条件の下で、国と地方自治体で2分の1ずつを負担し、その地方分については特別交付税措置が取られた。つまり実質的に全額国の負担とされ、こと施設の復旧費については鉄道会社の負担ゼロとなったのである。ただし、この制度は赤字基調の事業者が要件であり、JR東日本には適用されなかった。このため、巨額の復旧費を理由に気仙沼線柳津―気仙沼間、大船渡線気仙沼―盛間は鉄道復旧を断念、線路用地を舗装してBRT(バス高速輸送システム)として運行再開した。

一方、盛岡から北上山地を越えて宮古に出て、三陸沿岸をたどり釜石と結ぶ山田線も、宮古―釜石間が随所で津波に飲まれ線路が流された。このため、JR東日本は2012年6月、やはりBRTでの復旧を提示した。だが、沿線4市町(宮古市、山田町、大槌町、釜石市)は前述の2線と異なる路線条件等を理由に二度の提案を拒んだ。これに対して2014年1月、JR東日本はJRによる原状復旧等の意思を示したうえで三陸鉄道への移管を提案する。JRとして鉄道を復旧して営業を再開するのは困難だが、復旧を担ったうえで以後を地元に託す支援ならば可能との考えだった。

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