三陸鉄道に移管「JR山田線」復旧工事は順調か

宮古―釜石間には実質的な新線建設区間も

これを受けて協議が再開された結果、同年12月、JRが線路を復旧させ、完成後は三陸鉄道として運営する鉄道での存続が決まった。かたや三陸鉄道にとって、突然の話という面はあったが、地元の強い鉄道存続の要望もあり移管に同意した。南北リアス線復旧時のスキームと同様の上下分離が図られるのならば、三陸鉄道の負担は運行面のみに軽減される。また、南北リアス線の間にJRが挟まって路線が二分されていたところを一体化できれば、その面では合理的な運営もできる。震災から4年を経た2015年2月、岩手県、沿線市町、三陸鉄道、JR東日本は山田線宮古―釜石間の三陸鉄道移管について基本事項を合意し、同年3月からJR東日本は復旧工事に着手した。

主だったところで沿線9地区が浸水、6カ所の橋梁が流失、駅も7カ所で被災した中、橋桁が流された宮古付近の第34閉伊川橋梁の復旧工事が同年11月にスタートした。そしてJR東日本は、本年7月18日の大槌川橋梁の軌道敷設をもって全区間のレールが繋がり、8月21日から橋梁等の強度確認のためディーゼル機関車を入線させることを発表した。おもな地上施設の工事は9月末までに完了し、10月以降は施設の検査等をしながら不要物の撤去等、残工事に入る。2019年1月以降に安全性を最終確認する試運転を行い2月以降には三陸鉄道乗務員による訓練運転、2018年度内移管とスケジュールが引かれた。

こうした工程が立てられる中、三陸鉄道から今年3月、移管開業日は2019年3月23日と発表されている。初日は記念列車2往復の運転で、翌24日から一般営業を開始する。路線名は南北リアス線と一体化して「リアス線」となる。山田線区間の延長は55.4km。これを北リアス線71.0km、南リアス線36.6kmと合わせると久慈―盛間163kmとなり、第三セクター鉄道の国内最長路線が誕生する。

壮大な町の復興工事も進む沿岸区間

時期的にちょうど軌道敷設が完了したころ、宮古から釜石へと、海側の山田線沿線をたどった。

宮古駅はJR駅舎と三陸鉄道駅舎兼本社が並んでいたが、その間にガラス張り跨線橋が建設されていた。それは学校や官公庁も含め浸水域の約14%もの建物が流失、撤去されたことを教訓に、被災地全体の復興拠点として「浸水しない場所」に整備する市役所を含む中心市街地拠点施設への入口で、10月にオープンする予定。鉄道やバス等の公共交通でのアクセスも至便になる。

新設される三鉄車両基地(撮影:久保田 敦)

一方、駅は山田線移管に伴い現JR駅舎が宮古市に譲渡される。三陸鉄道乗場は現在の三鉄ホームから1・2番線に移され、盛岡とを結ぶ山田線は3番線発着となる。三陸鉄道の車両基地も新設されており、現在は北リアス線が久慈、南リアス線が盛と分かれている基地機能が集約される。

宮古を離れてすぐ、宮古湾に注ぐ閉伊川に架かる第34閉伊川橋梁がある。11連の上路ガーダー桁の6連が流された鉄橋だが、美しい青色塗装で対岸と繋がり、手摺に無数のウミネコが止まっていた。

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