ふるさと納税「争奪戦」が終わらない深い事情 総務省が12市町を名指し注意、従わぬ理由は?
豪雨以前の寄付も含め、2015年度の1年間で全国から8.5億円の支援が集まった。前年度比27倍以上の寄付を集めたのだ。
この寄付を、災害からの復旧・復興につなげた。このときのノウハウを生かし、2016年の熊本地震や今年7月の西日本豪雨では、被災した自治体に代わってふるさと納税を受け付ける「代理受け付け」を遂行。「証明書発行などの事務手続きが職員の負担になるため、処理に慣れた自治体が代理で受け付けるのは効果的」と、地方財政に詳しい嘉悦大学の和泉徹彦教授も太鼓判を押す。
泉佐野市は初めて100億円超の寄付を集める
制度について橋本町長は「ふるさと納税と災害支援というのは、相性が良い。返礼品ではなく、地域を純粋に支援したいという気持ちが数字に出る。代理受け付けは、関東・東北豪雨災害を経験し、被災地の立場で考えてできた制度」と語る。
境町の返礼品のほとんどは、常陸牛やコシヒカリをはじめ地元産のもの。今回注意の対象になったと考えられる地場産品以外の一部の返礼品も、境町産の野菜を使ったレストランの食事券や、友好都市、歴史的つながりのある土地のものという。地場産品かどうかというよりも、返礼品が本当にその地域のためになっているかを検証していく必要もありそうだ。
ぶっちぎりの1位となる135.3億円の寄付を集めたのは、大阪府南部に位置し、関西国際空港が位置する泉佐野市。一自治体が100億円以上の寄付を集めるのは制度史上初めて。泉佐野市の一般会計歳入563億円のうち24%と約4分の1を占める。
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