牧之段:僕と同じ早稲田の友達も無欲ですよ。服はお母さんに買ってもらってるし、財布の中身もお母さんが管理してるやつなんですけど(笑)。平和な暮らしさえできればいいから、大きい家もいらないし、仕事で競争もしたくないって言ってます。にもかかわらずサークルの幹事長をやってるので、理由を聞いたら「先輩から言われたから」だそうで。役職を担って誇らしいとか満足してるみたいな気分は、まったくないそうです。
原田:牧之段くん自身はどうなの?
牧之段:少しは人より秀でたいですよ。
原田:じゃなくてさ、プライベートジェットを持ちたいとか、それくらいの秀で方はないの? ホリエモンみたいな。
牧之段:今のままでも満足なので……。逆に聞きたいんですけど、なんで昔の人たちはそんなビッグドリームを抱いてたんですか?
原田:だって、お金がたくさんあればどこにでも行けるし、買いたいものが買えるし、おいしいものだってたくさん食べられる。そんなに働かなくてもいいから、時間を好きなことに使えるじゃない。君たちがカラオケでよく歌うDA PUMPの『USA』という歌でも、ドリームがたくさん歌われているじゃない?
一同:(シーン)
牧之段:確かにそうですけど……。この歌は「ダサかっこいい」と言われているとおり、僕らにバッチリ歌詞がはまっているわけではないですし。……お金をそんなに得るためには、ものすごく本気で取り組んで、いろんなものを捨ててまで頑張らなきゃいけないじゃないですか。そこまでの覚悟はないです。
原田:ワーク・ライフ・バランス世代は、バランスを崩してまで得られるお金はいらないんだね。今年の初め、北欧で現地の若者たちに調査したんだけど、北欧の職場は全体的にかなりワーク・ライフ・バランスが保たれているから、皆あまり仕事に対する不満がない、と若者たちが口々に言っていた。多くの日本企業は、北欧型の労働スタイルや職場環境を参考にする必要が出てきているかもしれないね。
近くに金持ちがいれば、金持ちになりたくなる?
樋川:私は稼ぎたいです。いい服を着たいし、旅行にも行きたい。ただ、プライベートジェットって話ではないかな。年収1000万円くらい。これだって、女性だとなかなか行けないレベルですよね。
原田:そうだね。日本のサラリーマンの平均年収が400万円くらいだし、女性の正社員の給料は男性の正社員の7割程度だと言われているから。でもさ、どうしてそんなにお金が欲しいの?
樋川:人に誇示したいわけじゃないんです。自分のものも欲しいけど、将来のことを考えたとき、家族に充てるお金が潤沢に欲しいなって。
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