頭痛薬でさらに痛みが増す「頭痛のジレンマ」

常用しがちだが「過ぎたるは及ばざるが如し」

頭痛を治したくて飲んでいる薬の乱用が原因で、さらに頭痛が酷くなることもある(写真:sasaki106/PIXTA)

頭痛の種類としては、片頭痛や緊張性頭痛が良く知られている。少し詳しい人なら群発性頭痛を挙げるかもしれない。しかし、緊張性頭痛、片頭痛に次いで3番目に多い頭痛について知っている人は意外と少ない。

その頭痛とは、薬物乱用頭痛である。

1日に何錠も薬を服用

筆者の元に30代前半の女性が訪れた。

10代後半から片頭痛が始まり、最初は月1~2回の発作回数で、非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)で対処できていた。しかし、大学進学後には月4~5回になり、片頭痛の特効薬とされるトリプタン系薬剤を使用するようになった。

会社はマスコミに就職した。仕事は極めて忙しく、生活リズムが乱れた。やがて毎週3~4回、頭痛発作に襲われるようになり、NSAIDsやトリプタン系薬剤を頻用するようになった。

筆者の元を訪れるまでの数年間はほぼ毎日、朝起きたときから夜寝るまで頭全体を締め付けるような頭痛が続き、頭がすっきりしたことはない。肩や首のコリも酷い。痛みが酷くなりそうになると、NSAIDsやトリプタン系薬剤を服用して何とかしのいでいる。脳MRIや脳波などの精密検査は何回か受けた、特に問題はなかったという。

頭痛と頭痛薬を何とかしたい――。女性は結婚が決まり、子供を産みたいと話していた。

薬剤の使用パターンを詳細に聞くと、朝食後すぐにNSAIDsを服用してから、1日のうちに、NSAIDsを1~4回、アセトアミノフェンを1~3回、特に痛みが酷いとき(2日に一度程度)にトリプタン製剤を1回使用していた。

この女性は薬物乱用頭痛だったのだ。

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