安倍流独裁、「杭はすべて打つ!」の制圧作戦 「出る杭」「出ない杭」「出たい杭」の造反は?

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こうした総裁選圧勝を前提とした「強引な3選戦略」に党内の反発が拡大する兆しも見え始めている。党内第3勢力の竹下派の参院幹部は31日午前の協議で総裁選への対応を同派会長代行の吉田博美参院幹事長に一任することを決めた。ここにきて、同派参院側は石破茂元幹事長を支持する方向が強まっており、吉田氏は参院竹下派(21人)を石破氏支持で束ねる意向とみられている。

さらに、小泉進次郎筆頭副幹事長ら支持を明らかにしていない40人前後の無派閥組の中にも「判官びいきで石破氏支持に傾く議員が増え始めている」(自民幹部)とされる。このため、首相圧勝の流れは変わらないものの、「地方票も含めると、首相の狙うトリプルスコア以上での圧勝は微妙になる」(自民事務局)との見方も出始めている。

安倍首相は体調管理のため休養中

首相は週明けの30、31日の2日間をごく一部の公務を除いて「完全休養」にあてた。31日の定例閣議も「案件なし」を理由に取り止めた。ただ、首相は23日と26日に都内の日本歯科大附属病院で長時間をかけて歯を治療した。さらに30日には赤坂の整骨院で「全身の施術」を受けた。首相周辺は「災害対応などで超多忙だったので、体調管理のための治療や休養」(官邸筋)と説明するが、永田町では「体調不安が深刻化しているのでは」との噂も広がる。

首相には、11年前の2007年8月に体調を崩し、9月になって退陣に追い込まれたという「苦い思い出」もある。9月7日とされる総裁選告示までなお5週間余り。「万全の態勢を整えた」(細田派幹部)とされる3選戦略だが、永田町では、「首相自身の体調も含め思わぬ落とし穴があるのが総裁選」(首相経験者)との声もくすぶっている。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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