村田製作所の4─6月期、営業利益は15%増 「米中貿易戦争の影響は今後も軽微」
[大阪市 31日 ロイター] - 村田製作所<6981.T>が31日発表した2018年4─6月期の連結業績(米国会計基準)は、営業利益が前年同期比15.2%増の481億円だった。売上高は同25.7%増の3455億円。自動車やスマートフォン向けのコンデンサーなど電子部品の需要増加が寄与した。
大阪市内で会見した取締役常務執行役員、竹村善人氏はコンデンサーの生産状況について「非常に繁忙」と述べた。米中貿易戦争の影響に関しては、中国で生産し米国に輸出されている自社製品のうち、関税リストの対象は「連結の売上高の1%に満たない」とし、「業績に大きな影響はない」と分析。さらにスマートフォン市場の動向は「当初の見方で進んでいくのではないか」との認識を示した。
4─6月期の受注高は前年同期比34.5%増の4101億円。自動車や中国向けのスマートフォンなど、幅広く需要が拡大した。6月末の受注残高は3438億円と、今年3月末と比べ23.4%増。過去最高の水準となったという。
売上高は4─6月期としては過去最高となった。主力の積層セラミックコンデンサーは通信や自動車向けなどが好調に推移。リチウムイオン二次電池を含む「その他コンポーネント」は前年同期比71.6%増。通信モジュールは2.0%増にとどまったが、樹脂多層基板の採用拡大が下支えとなった。電池部門の4─6月期の赤字額は「前四半期とほぼ横ばい」(竹村氏)と話す。
第2・四半期以降の予想の前提となる為替レートは1ドル105円、1ユーロ130円で据え置いた。通期の業績予想も変更なし。19年3月期の連結営業利益は前年比47.0%増の2400億円を計画する。トムソン・ロイターがまとめたアナリスト22人の予測平均値は2662億円。
コンデンサーの値上げの影響については、現時点では取引先と交渉中としたうえで、「業績予想の中には入れていない」(同)としている。
(長田善行)
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