各分野の一流の指導者も相手をよく観察しています。女子サッカー「なでしこ」の佐々木則夫元監督もシンクロナイズドスイミングの名伯楽・井村雅代さんも、最近ではサッカー日本代表チームの西野朗監督も、選手をよく観察することの重要性をインタビューで話していました。体調、好不調、モチベーションの高さ、選手間の関係性などを見抜けない指導者では、勝ち続けることはできないのです。
会社においても、観察力がある有能な上司なら、やる気を失っている若い部下に対して「ゆとり世代だから」などというステレオタイプの認識で終わることはありません。この部下はどんな性格なのか、今どんな精神状態なのか、どんな言葉が効果的なのかなど、相手をよく観察して具体的な手段を講じることができます。
レッテル貼りをやめて観察力を磨く
子育て中の親にとっても観察力は非常に大切です。観察力がないと、思春期の息子が彼女から来たLINEにどう返事をしていいか悩んでいるときに、「もうすぐテストでしょ。勉強しなきゃダメでしょ」などと無神経なことを言って猛反発を食らうことになります。観察力があれば、今言ってもムダだとわかりますし、もっと適切なタイミングを見つけることもできます。子どもが描いた絵をよく観察できる親は、子どもがどこにこだわって描いたかを見抜いてそこを褒めることができます。子どもの情緒が不安定なときもわかりますし、体調不良にもいち早く気づくことができます。
子ども本人がやりたがっていることや、向き不向きも見抜けます。テレビ番組を見ながら一緒に体を動かしているなら、歌やダンスのDVDを買ってあげたり、お試しでリトミック教室に連れて行ったりすることができます。観察力がないと、「藤井聡太がすごいから将棋をやらせよう」「卓球がブームだからうちの子にも」などと、本人のやる気や向き不向きに無関係なものを強制して、結局親子ともども苦しむことになります。
ということで、みなさん、レッテル貼りをやめて観察力を磨こうではありませんか。相手をもっとよく見ましょう。物事や現象をもっとよく観察しましょう。そうすれば、そこに自ずと答えもあらわれてくるかもしれません。少なくともヒントは見つかるはずです。
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