ビル・ゲイツ、アルツハイマー病研究に寄付 「将来は簡単な検査で診断できるようになる」
このイニシアチブをとおして提供される資金は、学術的な研究機関や慈善団体、バイオテクノロジー企業で研究に従事する世界中の科学者や臨床医の活動資金として使用されることになる。
慈善活動を実現する手段として、ADDFの診断アクセラレータプログラムによるベンチャーキャピタルは、すぐに商業的利益が見込めないような、よりリスクの高い計画にも投資する予定だと声明で述べている。
これまでの治験が失敗した原因とは?
製薬会社は、患者の記憶や、自力での生活能力を奪う重大な病気であるアルツハイマー病の進行を抑える治療法を作り出す試みに、何十億ドルもの資金を注ぎ込み、失敗を重ねてきた。
多くの専門家は、治療薬の治験が失敗した原因の一部は、すでに脳の損傷が進み過ぎた患者で治験を行ったことにあると考えており、アルツハイマーによる著しい脳機能の低下が見られる前の段階で治験を行う必要があると主張している。
米食品医薬品局が臨床症状よりも生物学的指標に基づいたアルツハイマー病の治療薬の治験を考慮するという立場を明らかにし、発症のきわめて早い段階で治験を行なうための道を開いた。現在、アルツハイマー病と確定診断するための主な方法は、脳のスキャンや脊椎穿刺だが、最も決定的な診断法は依然として解剖のままである。
今回の投資について発表したブログの投稿で、ゲイツ氏は、アルツハイマー病の診断が「毎年1回行なう身体検査で血液検査を受けるように簡単になる」未来図を描いた。
「研究はそのような未来がそれほど遠くないことを示している」とゲイツ氏は述べた。
(文:ジュリー・スティーンハイゼン、編集:ビル・バークロット)
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