すでに「夏の上昇相場」が始まっている?

米国の「一人勝ち」は日本株上昇につながる

両社とも12日に好決算を発表したが、ファストリは大きく買われ、安川電機は大きく売られた。安川電機は中国へモーションコントロール等、ロボット関連技術を通して「ハイテク中国」を支えている企業の1つだからだ。トランプ政権の標的が、進出企業のブラックボックスの中まで手を突っ込んでハイテク技術を吸い上げて来た中国の構造そのものだから、安川電機への影響は大きいと考えられる。

では一方で中国のユニクロの店舗数(608店、5月末現在)が国内の70%を越えて来た「バリバリの中国関連株」とも言えるファストリが買われたのはなぜか。おそらく、トランプ政権との全面対決を避け、「中国製造2025」「製造強国2045」に向け、内需を喚起し米国からの輸入を増やして矛先をかわす中国の作戦が見えているからだ(もちろんファストリの値動きは日銀のETF(上場投資信託)買いで需給がひっ迫し、日経平均への寄与度が高くなっているためもあるが)。

米国の一人勝ちが日本の「サマーラリー」を呼ぶ

一連の米中貿易戦争で、結果的にドルに世界の資金が集まり始めた。これは米国独り勝ちの象徴だ。1ドル=111円40銭前後にあるテクニカルポイントを越えたこともあるが、予期しないタイミングでの1ドル=112円台突入によって、日経平均のサマーラリーが一気に見えてきた。

当初、強いサポートラインだった日経平均の75日、200日移動平均を7月に入って割れた時には、「今年のサマーラリーはなしか」と思われた。だが、13日の409円高で、上値抵抗線のラインに変わっていた75日、200日だけでなく25日移動平均まで一気に突き抜け、俄然サマーラリーの期待が高まって来た。

サマーラリーとは、米国の株式市場において、7月4日の独立記念日から9月第1月曜日のレーバーデー(労働者の日)までの期間に、相場が活況になるアノマリー(経験則)を言う。日本でも昔から「夏相場」はあったが、「夏枯れ相場」と言う相場用語もあり、「夏相場=高い」とは自動的にはならない。特に夏の甲子園野球が始まると相場が閑散になる悪いイメージの方が強い。しかし今年は、活況な日本のサマーラリーが期待される。いや、サマーラリーはすでに始まったと言えるのではないか。

とにかく日本株は下げ過ぎた。下落の過程で日経平均がPER(株価収益率) 12倍台に突入したことや、騰落レシオが80%を割れたことなど複数の指標でもわかるが、多くの個人投資家が保有している中小型株の下げがひどい。ここだけを見ているとまだサマーラリーは始まっていない。だが、逆に言うと、日経平均が先行指標としてのサマーラリー開始のシグナルだとしたら、中小型株のリバウンド相場は「半端ない」ものになる可能性がある。

今週の予定表を見ると、ジェローム・パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言(17~18日)が目につくが、12日のロイターなどによると、パウエル議長はかなりドナルド・トランプ大統領を「リスペクト」しているようだ。「トランプ政権の減税と歳出拡大策で経済は少なくとも3年間は押し上げられ、今の米経済は非常に良い位置にある」とコメントしている。こうしたことから見れば議会証言は「ポジティブイベント」だと思われる。

今週(17日-20日)の日経平均予想レンジは2万2300円―2万3000円とする。

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