ホンダ「ゴールドウイング」大刷新に見た凄み 1800ccエンジンの音はあのNSXを彷彿
また、メーターコンソール上ではApple CarPlayを採用したことで、お気に入りのアプリを使ってナビゲーションやBGM、電話番号表示や音楽プレイリストの表示も可能。

市販のBluetoothヘッドセットを使用すれば、ライダー&パッセンジャー間の会話や、BGMも共有が可能で、利便性と快適性が高まった。
実際、このシステムを使うことで、バイクでの不便さ……つまり、タンデムライド時の会話の難しさから解放され、クルマ内での会話と変わらぬ自然な時間を提供してくれる。もちろん、オーディオシステムも搭載されているので、ヘルメット越しではあるが、オープンエアでのBGMを楽しむこともできる。
40年以上走り続けたゴールドウイングの歩み
初代ゴールドウイング(=GL1000)を米国で販売したのは1975年。1970年当時は世界的に大排気量高出力の需要が2輪ユーザーの間で高まっていた時代だ。
ホンダは1969年発売のCB750FOURを超えるバイクで北米マーケットを攻略すべくGL1000の開発を進めてきた。北米には圧倒的な販売網を持つハーレー・ダヴィッドソン社があり、多くのアメリカ人にとって北米中を“ハーレーでタンデム旅行”することは夢であった。
そんな年齢層の高い「大人のバイク乗り」がいる北米でホンダが受け入れられるにはCB750からもう一歩踏み出す必要があったのだ。
それまで世界中になかったエンジンレイアウトの「水冷水平対向4気筒1000cc」エンジンの新技術、燃料タンクやミッションの位置まで変えたデザインの変化、さらに安全面も高めていったことで、ゴールドウイングGL1000は北米大陸を安心して横断できるバイクに仕上がり、大成功を収めたといえる。

現在、このシリーズは排気量を1800ccにまで拡大し、水冷水平4気筒エンジンは6気筒まで大型化、結果的に6世代目、世界70を超える地域で販売され、累計生産台数は79万5000台を数えるまで正常進化してきた。
今回、フルモデルチェンジしたゴールドウイングは、これからの10年20年先を見据えたバイクだ。
日本の成熟した市場へ、上質を知る大人のライダーたちへ、今まで一人で楽しんできたバイクという世界で、大切な人ともう一度恋人同士になるために、このゴールドウイングが登場したとも感じることができる。