ホンダ「ゴールドウイング」大刷新に見た凄み 1800ccエンジンの音はあのNSXを彷彿
2輪ではホンダが他メーカーに先駆けDCTを展開しているだけあって、そのシフトタイミングや左側スイッチにある親指と人差し指で行う、クルマでいうところのハンドル裏にある「パドルシフト」も高い精度で仕上がっている。
1800cc水平対向6気筒エンジンの奏でるサウンドと精度の高いDCTタイミング、何かに似ていると考えて気がついたのは、同じくホンダの4輪フラッグシップモデル最新型NSXの加減速時の音と極めて近いということ。
つまり、この辺りのフィーリングをハイエンドカーを知っているユーザー層をも納得させるべく演出をしており、なによりそのエンジン吸排気音と加速フィーリングに心が高まる。
さらに、クルマでは常識装備ともいえるアイドリングストップにヒルスタートアシストも装備、違和感なく作動するそのフィーリングにも作り込みを感じる。
そして特筆すべきはその乗心地の良さだ。
今回、初採用されたのがダブルウィッシュボーンフロントサスペンションだ。
このシステム、多くのスーパーカーなどでも採用されている定評のある基本的なサスペンション構造なのだが、それをバイクの、しかもフロントに採用するには技術的に克服しなければならないことが多く、過去には何度も見送られてきたのが事実。
しかし、そこをあえて採用することで、開発コストや生産コストを超えた乗り心地の良さ、つまりユーザーベネフィットが生まれているといえる。そしてこれもまた走りながら思わず笑みがこぼれたのがハンドリングだ。
バイクはやはり人が操ってこそ、本来の性能を出せる乗り物。バイクとの一体感をつかんだときの喜びは満足度が高い。車重380kgという数字を感じさせないドライバビリティと、一方ではその車重だからこそ出せる安定性。
これは、開発エンジニアであれば、どちらかに振りたいのが本音だろう。とはいえ、高速道路では高い直進安定性が欲しく、峠道などのワインディングでは軽快な運動性能が欲しい……。
高い運動性能と安定性を実現したバイク
まさにそれを高い次元で両立させているのがゴールドウイングのスーパーハンドリングだ。ホンダは、この辺りの徹底的なエンジン&シャシー技術を構築してきたからこそ、他ライバルメーカーがまねのできない唯一無二の北米大陸横断バイクが完成したといえる。
さらに、感動的なのがユーティリティのすばしさだ。
ゴールドウイングでは先に述べた2輪用エアバッグシステムに加え、ハンドルグリップヒーター&シートヒーター、そして大切な人を乗せるパッセンジャーシートにもヒーターを採用。もちろん、独立した温度調整が可能。
従来モデルで採用されていたフロントウィンドーワイパーは廃止され、新採用の電動スクリーンは高さと角度の調整が手元のスイッチで可能で、あらゆるシーンに対応したウィンドープロテクションをライダーが選択できることになった。
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