日本はマシ?世界の政治家の汚職はヤバい

腐敗を暴かなければ民主主義は死ぬ

(皮肉なのは、政治腐敗への怒りがポピュリズムに火をつけ、大衆迎合的な政治家が台頭し独裁者に転じていることだ。大衆迎合の政治家は格差に対する人々の不満に付け込んでいるが、汚職に立ち向かえば、特権階級が不正で肥え太るのを防ぎ、格差拡大を抑えることができる。政治的に分断されてしまった社会を一つにする力が、反腐敗運動にはあるかもしれない。

確かに、反腐敗運動は権力者によって政治の道具にされることがある。中国の習近平国家主席は汚職摘発を巧みに使って政敵を粛清、事実上の絶対権力を手に入れた。だが、このような暴挙が行われているからこそ、私たち民主主義の守り手は、これまでの倍の力で不正に立ち向かわなければならない。

トランプ氏は海外腐敗行為防止方を敵視している

反腐敗運動の効果は証明済みだ。米国では約40年前に成立した海外腐敗行為防止法(FCPA)のおかげで、世界中の汚職を摘発し、盗まれた巨額の資産を取り戻すことができた。トランプ氏はFCPAを敵視しているが、まだ法律を骨抜きにするには至っていない。

英国は最近、英領の租税回避地(不正資金の逃避先として有名だ)に籍を置くダミー企業に対して、本当の所有者を2020年末までに公表するよう義務づけた。不正を取り締まるには国際的な連携を強める必要がある。もっと多くの政府が英国に続くべきだ。

不正と戦うには、腐敗を暴くジャーナリストを脅したり殺したりする者の仕業を白日の下にさらし、訴追していく必要もある。開かれた社会には言論の自由が欠かせないからだ。篤志家は、政治家の汚職を追及する市民団体やメディアをもっと強力に支援すべきだ。

もちろん、腐敗を取り締まるのは簡単ではない。だが、ポピュリズムを勢いづかせているのは腐敗に対する怒りだ。何もしなければ民主主義は死んでしまう。反腐敗運動は権力の監視につながるだけではない。民主主義を守るためにも腐敗を許してはならないのだ。

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