「トラック界のテスラ」が放つFC車が凄すぎる

航続距離1900キロ、費用はディーゼル車並み

FCVが普及するには、水素ステーションの整備が不可欠。そこでニコラが取った大胆な戦略とは(写真:Tramino/iStock)
世界的なEV(電気自動車)ブームの一方、米国では、航続距離・出力に優れるFCV(燃料電池自動車)の強みを生かしたトラックが誕生している。このたび『日本の国家戦略「水素エネルギー」で飛躍するビジネス』を上梓した西脇文男氏に、米国ニコラモーターカンパニーの野心的な取り組みをレポートしてもらった。

米国と中国で燃料電池トラック商用化の動きが始まった

次世代エコカーといえば電気自動車(EV)という中で、水素を利用した燃料電池自動車(FCV)に熱心に取り組んでいるのは日本だけ、と思われている読者も多いのではないか。

『日本の国家戦略「水素エネルギー」で飛躍するビジネス』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

確かに、乗用車に限ればそのとおりだ(前回「EVブームの次にはFCVのメガトレンドが来る」参照)。しかしトラックやバスなどの大型車両に目を転ずれば、違った景色が見えてくる。

大型車両は、FCVが最も優位性を発揮できる分野だ。

現在トラックやバスで主流となっているディーゼル車は、積載重量が重いと多量のガスを排出する。EVは、重量物を長距離輸送するには大容量の蓄電池が必要となり、蓄電池自体の重量や体積、コスト面で課題がある。FCVなら車両内で発電するので、燃料の水素を多く積めば燃料電池自体はそれほど大きくする必要がない。ちなみに、トヨタの燃料電池バス「SORA」は、セダン型「MIRAI」に比べ、燃料タンクを5倍積んでいるが、燃料電池の容量は2倍にすぎない。

また、水素ステーションの数が少ないことについても、路線バスはもちろん、長距離トラックも走行ルートはほぼ決まっているので、乗用車ほどには問題とはならないだろう。

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