ジャガーのEV「I-PACE」はテスラと何が違うか ラグジュアリーEVの激戦がついに始まった

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そうIペイスはEVであると同時にサルーンでもスポーツカーでもなくSUVなのだ。これには特別な思惑があるわけではなく、単にフロアにバッテリーを搭載するため車体の天地に嵩(かさ)が必要で、それでも成立させやすいSUVが選ばれたということだろう。Iペイスの側面の下のほうにはブラックの加飾パネルが装着されているが、これはこの部分を黒くすることで、少しでも車体が分厚く見えるのを防いでいるためだ。

ジャガーはSUVの経験は浅いが、ランドローバーという一心同体の別ブランドがある。Iペイスのグレードは「HSE」「SE」「S」に分かれているが、これはランドローバー各モデルが用いるグレード名と同じ。またIペイスはじめジャガーの4WDモデルに備わるオール・サーフィス・プレグレス・コントロールという悪路専用のクルーズコントロール機能の中身は、ランドローバーが誇るオールテレインプログレスコントロールそのものである。

こうした目に見える部分以外にもランドローバーのテクノロジーやノウハウが盛り込まれているに違いない。なぜなら今回の試乗コースに含まれていた急な登り坂、下り坂、タイヤが3分の2隠れる程度の水深の水たまり、ロックセクション、泥濘路といったオフロードを、Iペイスが難なく走破したからだ。SUVを名乗るも、このルートを走破できないモデルは少なくないはずだ。

気になる航続距離は480km

気になる航続距離はWLTP(世界共通の燃費計測用走行モード。日本では2018年10月から全面的に適用)で480km。ジャガーは「出力100kWの急速充電器を使用すれば40分間で80%まで充電可能」と説明する。ただ、日本国内では「チャデモ(CHAdeMO)」方式の急速充電器を使用することになり、2倍程度の時間がかかるだろう。余談だが、EVの増加に対応すべくチャデモの出力を向上させる計画もある。

普通充電(7kW)の場合、80%まで充電するのに10時間を要する。これも7kWの出力をもつ家庭は国内にはほぼなく、実際には10時間以上かかるだろう。この点、テスラは120kWの出力をもつ独自の急速充電器「スーパーチャージャー」を国内に点在させ、オーナーに無料で開放しているほか、チャデモも使えるため、充電環境という面ではテスラが大きくリードする。

ジャガー・ランドローバー・ジャパンは2018年内のIペイス国内発表、2019年早期のデリバリー開始を予定している。価格はグレードによって1000万円前後と予想される。

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