小田急「新ダイヤ」が解決できない根本問題 快速急行は続く混雑、小田急はどう対応?
もう1つの課題はトラブルの際、特に千代田線のダイヤが乱れた際の列車の遅れだ。ダイヤ改正直後の4月にあった、千代田線内での車両点検により小田急のダイヤが乱れた際の様子を紹介しよう。
登戸から通勤準急に乗ると当初は特に問題なく走っていたが、下北沢の手前で先行列車に詰まって停車。ここで3分待たされ、その後、東北沢の手前でも前の列車が詰まり、さらに7分待たされることになった。ようやく進み始めたものの、列車は歩くほどのスピードでしか動かない。「初めて乗ったけどこんな電車で毎日通うのか」。新大学生と思われる2人の会話が聞こえてきた。
東北沢から代々木上原の間でも、急行用の線路・各駅停車用の線路ともに2本ずつ列車が詰まっており、筆者が乗る通勤準急の前には新宿行きの各駅停車が停まっていた。代々木上原に停車していた快速急行が発車すると、ようやく前に詰まっていた各駅停車が発車。続いて千代田線の線路が空き、通勤準急は8時27分にようやく代々木上原に到着した。下北沢を発車したのは8時13分。なんと下北沢から代々木上原までの2駅で14分もかかっていた。
列車「渋滞」への対策は
直通列車が増えれば、ほかの路線で起きたトラブルによるダイヤへの影響が大きくなるのは当然考えられる問題だ。これに対して小田急はどのような対策をとっているのだろうか。
小田急は「列車の詰まりによる新宿方面への影響を最小限に抑ええるため、メトロ直通の列車を緩行線(各駅停車用の線路)経由にしており、メトロ線内の輸送障害時は可能なかぎり新宿行きとして運転を継続し、一部千代田線直通列車を減便し、小田急線内の遅れを最小限にする対応をとっています」と説明する。
しかし、複線の代々木上原―新宿間ではすでに1時間あたり最大で24本が運転されている。一般的に複線では1時間に30本の運転が限界と言われているため、ピーク時は1時間に12本走っている千代田線直通列車のうち、半分の6本程度しか新宿方面には入れないことになる。
また、新宿駅は柔軟な運用が可能な構造になっているものの、1時間に30本が発着することになれば、駅の手前で列車が詰まるなど、ある程度の混乱は避けられないだろう。これらの要因で大幅な「渋滞」が起きやすい状況にあるといえる。
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