小田急「新ダイヤ」が解決できない根本問題

快速急行は続く混雑、小田急はどう対応?

では、混雑はどうか。これは列車によってだいぶ差があるようだ。

朝ラッシュ時の主力となった快速急行(編集部撮影)

町田から乗った快速急行は、登戸駅で東京メトロ千代田線直通の通勤準急綾瀬行きと接続し、8時12分に同時に発車する。通勤準急からの乗り換え客が押し寄せると混雑はピークに達した。

とはいえ、以前のように潰されたり圧迫感を感じたりするほどではなく、四方で体が触れ合う程度の混雑だ。乗っているだけでぐったりした以前の状況から考えるとかなりマシだ。だが、相模大野に住む友人は「相模大野から快速急行に乗るが以前と変わった感じがしない」と愚痴をこぼす。

一方の通勤準急は、日を改めて新百合ヶ丘から乗ってみると、昼間の電車かと思うほどすいていた。登戸までの間に混雑はしてくるものの、同駅で立客の多くが快速急行へ乗り換えると再び昼間並みの乗車率となった。成城学園前からは各駅停車からの乗り換え客がどっと乗りこみ、経堂でもかなりの乗車があったが圧迫感はない。

多摩線内から新宿へ向かう通勤急行も比較的すいている。始発の小田急多摩センター駅では、座れなかった人は数人程度。新百合ヶ丘でも、この列車が到着する1~2分前に快速急行が発車したばかりのためか、乗る人はわずかだ。通勤急行は登戸には停まらず1つ手前の向ヶ丘遊園に停車するが、ここでもそれほど多くの人は乗ってこない。同駅を少し前に出る各駅停車は登戸で快速急行に連絡するため、少しでも急ぎたい人はこちらに乗っているのだろう。

快速急行への集中は緩和できるか

こうしてみると、現状での大きな課題は快速急行に混雑が集中することといえる。特に、通勤急行は直前を走る快速急行と比べて、新宿着の時刻の差は2~3分しかない。比較的すいている通勤急行の利用をもっとPRすべきだろう。

これに対し小田急は「快速急行の前後の比較的混雑率の低い通勤急行、また通勤準急などをご利用いただけるよう、現在もホームページ、ポスター、駅でのアナウンスなどで対応しています」(小田急電鉄CSR・広報部)という。

少しずつ効果は表れているといい、「ダイヤ改正直後と現在を比較すると前後の通勤急行や通勤準急へシフトしている傾向もあり、徐々に平均化が図られています。さらに階段付近の混雑など一部車両に集中することもあり、分散乗車のアナウンスを継続し、さらなる混雑緩和を図っていきます」と同社は説明する。ダイヤについても今後の動向を見極めて検討していくという。

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