明治安田生命がコミュニケーションボードを全国の警察に配布


 「相手の方にも安心感を与えることができますね」

こう語るのは、警視庁浅草警察署の高橋地域課長だ。浅草警察署の雷門交番には道を尋ねたり、落とし物をしたといって、訪れる人が途切れることはない。ましてや浅草は国際的な観光の街。外国人も「駅までの道を教えて」などとよく訪れる。だが、外国人の中には日本語をまったく解せず、言葉が通じない人も多い。

また、知的障害や自閉症の人たちは、何か困ったことが起きて交番に行っても、不安や混乱からうまくコミュニケーションが取れない場合もある。そんなとき役に立つのが、話し言葉によるコミュニケーションが困難な人たちと、イラストを通じて意思疎通を図る「警察版コミュニケーション支援ボード」だ。

なぜ交番に来たのか、最初の取っ掛かりがつかめれば、「素早く対応してあげられる」と高橋地域課長。

「警察版…ボード」は、明治安田こころの健康財団が作成したもの。財団と明治安田生命が、A3版の警察署・交番用を1万2000枚、A4版のパトカー用を1万2000枚の計2万4000枚を、警察庁を通じ全国の警察に無償提供した。

ボードは両面カラー印刷で、表面に「おとした」「ひろった」「まいごになった」などのイラストと、日本語、英語、韓国語、中国語の表記が並び、裏面には「何を/何が」にあたるイラストが並ぶ。たとえば表面で「おとした」を指し、裏面で「ケイタイ(携帯電話)」を指せば、警察官に「携帯を落とした」ということを素早く伝えることができる。

ボードは、もともと知的障害や聴覚障害、自閉症の人たちと、円滑なコミュニケーションを行うために作られたツールだ。こころの財団では養護学校などの各種機関と連携し、2003年よりボードの配布を行ってきた。最初は養護学校から配布を始め、コンビニや銀行、駅、観光案内所などに設置すると同時に、普及活動に努めてきた。子どもだけではなく、外国人や障害者が迷子になって保護される場所は、コンビニ、警察、駅が圧倒的に多いという。そこで06年に財団から警察庁に働きかけ、今回の無償提供につながった。

「ボードがすべてを解決できるわけではないが、一助になれば」と財団は期待を寄せている。

(生保・損保特集編集部)

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