iPhoneの「中毒脱却機能」が秀逸といえるワケ アプリ使用時間に制限を加えることも可能に

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シリコンバレーのテクノロジー企業に勤める親は、こどもをなるべくデジタルから遠ざけたり、程よい距離を保ちながら教育を与えようとしている。その一方で、アップルがスクリーンタイムアプリを提供するまで、大人も、自分がどのようにデバイスを使っているのかを把握し切れていない現実もある。

レポート機能は非常に強力で、アプリのジャンルや就寝後の利用なども記録される(筆者撮影)

「スクリーンタイム」アプリは、こどものデバイスに対しても同じように統計情報の集計とルール作りを行うことができる。しかしただ制限するだけではなく、こどもと一緒にルールを決めて、大人もこどもも一緒にルールを守れるようにすることが重要だ。新しいアプリは、テクノロジー使用について家族で会話をしたり、1週間をふりかえって反省したりする材料にもなるだろう。

これらの努力は、テクノロジーと人間との関係性をどうすべきか、それらをより良い方向に導こうとする取り組みとして位置づけられる。

アプリ使用時間に制限

デモではiOS純正のメッセージアプリに加えて、フェイスブック、インスタグラム、ツイッターといったソーシャルアプリが使用頻度が高いアプリとしてリストアップされていた。もちろん何か意図があったわけではなく、一般的な結果なのだろうが、これらの名前が挙がったアプリに限らず、スクリーンタイムアプリの新設や通知機能の改善は、結果的に、アプリ使用時間に制限をかける仕組みと言える。

アプリタイマーを設定し制限時間が過ぎるとそれ以降の使用ができない旨が表示される。無視して使うこともできるほか、曜日によって制限を変えることも可能だ(筆者撮影)

アプリ開発者が集うWWDCの場で、そのアプリの使用制限を課そうというアナウンスはなかなか苦渋だったかもしれない。もちろん開発者も問題を共有していて理解は得られるだろうが、手放しに拍手を送りたい機能とも言えなかっただろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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