女性12人「脱北」は韓国による拉致だったのか 弁護士団体が北朝鮮への謝罪を政府に要求
この声明は「元女性従業員が自らの意思で、速やかに家族のもとへ帰れるように」文政権は全力を尽くすべきだと続き、韓国の情報機関、国家情報院(NIS)が行ったとされる拉致を「犯罪行為」と呼んで非難している。
だが、北朝鮮ニュースの取材によれば、元女性従業員のうち何人かは北朝鮮への送還を望んでいない可能性があることに民弁は気づいている。文政権は14日、「事実を漏れなく開示し、関わった人物の名前はひとり残らず公表すべきだ」と記者会見で力強く語ったが、この記者会見は後に保守派のデモ隊から妨害を受けた。
民弁でこの案件を指揮するチャン・ギョンウク弁護士は14日午前、北朝鮮ニュースの取材に答え、ソウル中央地方検察庁に対して同日午後より、この事案に関わっている個人の告発手続きに入る予定だと語った。
洪容杓(ホン・ヨンピョ)前統一相、李丙琪(イ・ビョンギ)NIS元院長のほか、海外諜報活動の責任者だったことが民弁によって特定されている人物が、告発者リストには含まれている。
朴槿恵前大統領や、12人の元女性従業員が働いていたレストランの男性支配人――JTBCの放送内で「ホ・ガンイル」と呼ばれていた人物――が告発者リストに名を連ねることになるのかどうかについては未定という。
「朴前大統領を告発するかどうかについては、内部でもいろいろと議論がある」と、民弁のチャン弁護士は北朝鮮ニュースに語った。「われわれが行おうとしている告発はJTBCの報道に基づくものであり、証拠をわれわれが直接入手することはできないからだ」
報道が事実だった場合は・・・
男性支配人のホさんについては、同氏が内部告発者だという事実に加えて、後々になって民弁が事件に関して事情を聞く可能性が出てくるかもしれないため、告発するかどうかわからないと、チャン弁護士は言う。
民弁は女性従業員の家族の代理人を務めており、これまでにも複数回にわたって女性との面談を求めてきた。女性たちが自らの意思で韓国に逃れてきたのかどうかを確かめるためだ。
韓国統一部はJTBCが番組を放送した先週11日、報道が事実なのかどうか検証するつもりだと語った。番組では、北朝鮮が中国で経営する「柳京(リュギョン)食堂」で支配人を務めていたホさんに加え、元女性従業員4人のインタビューが放送された。
番組の中で、ホさんはNISから脅迫され、女性従業員をだまして韓国に連れてきた、と語っている。韓国統一部の白泰鉉(ペク・テヒョン)報道官は14日の定例会見で、JTBCの報道が事実かどうかを調査するという統一部の立場に変わりはないと繰り返した。
JTBCの報道が事実だと証明された場合、韓国政府は元女性従業員を北朝鮮に送還することになるのかどうかと問われ、白報道官は次のように答えた。「放送された内容を子細に調査するつもりだと、これまでにも申し上げている。この場で今、コメントできるのは、それだけだ」
(文:チ・ダギョム)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら