「文章が苦手な人」に教えたい書き方のコツ ちょっとの工夫で「記憶に残る文章」が書ける

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もちろん田中さん以外の方々に送る案内状には、田中さんとは書けませんから、一つひとつの文書を書き換えなければなりません。「ビジネスは効率優先」という考え方からすれば非効率なことですが、効果という側面から捉えれば、先方の心に残らない文書を送るよりも効果は高いはずです。私は、請求書や商品を送るときの送り状でも、相手の名前(あるいは社名)と共に感謝の一言が添えてあるほうがよいと思っています。

請求書発行・発送は経理という会社が多いですから、営業担当者のような細かな配慮の利いた文面でいつも送ることは難しいでしょう。したがって、毎月、同じ文面になってしまうかもしれません。それでも、

時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
いつも弊社の製品をご利用いただきありがとうございます。
〇〇の件につき、別紙の通りご請求申し上げます。
ご査収下さい。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

とだけあるよりも、

時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
いつも弊社の製品をご利用いただきありがとうございます。□□(個人名または会社名)様のおかげで、私どもも少しずつ〇〇メーカーとして歩めるようになりました。
〇〇の件につき、別紙の通りご請求申し上げます。
ご査収下さい。
今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。

と文面にあれば、これが毎回同じ文面であっても、感謝の気持ちは伝わるのではないでしょうか。

いますぐ簡単にできる文章のブラッシュアップ法

文章をブラッシュアップする方法は他にもあります。「、」の使い方についてお話しします。一般に句読点と言いますが、「。」が句点「、」が読点です。そのうち句点はともかく、読点の過剰は見た目にもうるさいですし、あまり文章を書きなれていない人が書いたものという印象を与えます。

たとえば、

先日は、ご多用の中、弊社、20周年記念式典に、お運びいただき、誠にありがとうございました。弊社が、拙いながらも、20年間という、歴史を刻み、今日を、迎えることが、できましたのも、ひとえに、〇〇社様の、ご厚意の賜物と、改めて、全社員の心に、銘記いたしました。

という文章と

先日は、ご多用の中、弊社20周年記念式典にお運びいただき誠にありがとうございました。弊社が、拙いながらも20年間という歴史を刻み、今日を迎えることができましたのも、ひとえに〇〇社様のご厚意の賜物と改めて全社員の心に銘記いたしました。

を比較すればスマートさの違いは一目瞭然でしょう。「、」の使用は、なるべく抑制気味にしたほうが文面のかっこうはよくなります。

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アルファポリスビジネス編集部

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