「快感」とはいったい何か?米国で議論が沸騰

芸術がもたらす快楽はほかと異なるのか

この反論を受けて、今度は多くの人々がクリステンセンの擁護に回った。

ペンシルベニア大学医学大学院の神経科学者アンジャン・チャタージーは「新しい別の考え方はできないのか? 快楽は舌にのせた少量の砂糖と同じだというのか?」とツイッターで述べた。

クリステンセンの主張に対する反論は、神経美学(美しい物や芸術作品を鑑賞したり作ったりする際の神経プロセスを研究する学問)という新しい分野においても意見の対立があることを示している。

快感や快楽は人間の行動のモチベーションに

1つ目のグループは、神経生物学的に言えば芸術から得られる快感や快楽は、キャンディやセックスから得られるものと同一であると主張している。

2つ目のグループは、芸術作品の制作や鑑賞によって、独自の神経生物学的な「ごほうび」を得られると考える。

3つ目のグループは「そんなこと、誰にもわからない」(もしくは「そんなの知ったこっちゃない」)という態度だ。

快感や快楽は人間の行動の強力な動機づけとして働いていることが知られている。つまり少なくとも1つ目と2つ目のグループにとって、問題は芸術にとどまらない。

「(議論は)まさに過熱しつつある」とナダルは述べた(ちなみにナダルが建築物の曲線をテーマに選んだのは、それがどこにでもあり、考えてもみないような形で私たちの多くに影響を与えるうえ、「コントロールしやすいのでいい実験材料となる」からだ)。

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