品プリがメインレストランを大改装したワケ 深夜帯の「ナイトタイム需要」対応を強化
なお、いずれのスペースからも地上約140メートルからの東京の眺望・夜景を楽しめるのが、大きなポイントになっている。特にグリルレストランからは羽田空港から離発着する飛行機が見え、バーエリアからは東京タワーやスカイツリー、さらに現在、品川駅―田町駅間に建設中の山手線新駅も見ることができる。
狙いは「ナイトタイムエコノミー」
さて、レストランリニューアルの背景について、同ホテル料飲支配人の市川潔氏は、「今後、多くの訪日外国人などさまざまなお客様をお迎えする中で、品川の街の発展とともに進化する、品川プリンスホテルのタウンマネージメントの一環としてレストラン改装計画の話が持ち上がった」という。
羽田空港の再国際線化や24時間化などにともなう、近年の品川の街の変化は大きく、京浜急行やリムジンバスで羽田に直結する「東京の玄関口」として外国人観光客のみならずビジネスパーソンの利用も増加している。また、今後は品川駅と田町駅間の新駅周辺の再開発が進み、リニア中央新幹線の始発駅になることも正式決定するなど、発展が著しい。
こうした状況下で、多様なニーズやシーンに対応できるレストランを作るというのが、今回のリニューアルの狙いだが、その中で、1つの大きなキーワードになったのが、「ナイトタイムエコノミー」だ。
4月18日に観光庁が公表した「訪日外国人消費動向調査(速報)」によれば、訪日外国人による旅行消費額は2015年の3兆4771億円、2016年の3兆7477億円から、2017年は4兆4162億円まで増え、過去最高を記録した。他方、1人あたりの旅行支出は2015年が17.6万円、2016年が15.6万円、そして2017年は15.3万円と、この3年間減少し続けている。
この傾向は、いわゆる「爆買い」の落ち着きなどによるものだが、政府が掲げる2020年の訪日旅行者数4000万人、消費額8兆円という目標を達成するならば、1人あたりの旅行支出を20万円まで押し上げなければならない。
この1人あたりの旅行支出の押し上げ対策として、いわゆる「コト消費」や地方の観光資源の発掘などとともに注目されるのが、今まで眠っていた“夜の経済”を活性化させるナイトタイムエコノミー対応だ。
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