「人と考え方が違う」のを恐れてはいけない

独創的な考えは猛烈な抵抗を受ける

芸術と科学の歴史に名を残す、偉大な人々について考えてみよう。彼らに共通する特徴の1つは、現状に挑戦し、努力する過程でしばしば抵抗と逆境に遭遇したことだ。また、彼らの業績は往々にして、当初は失敗というレッテルを貼られた。しかし、彼らはアップルのコマーシャルが言うように、「人類を前進させてきた」のだ。

ある独創的な改革者を見てみよう。16世紀イタリアの哲学者にして天文学者で、数学者でもあったジョルダーノ・ブルーノだ。彼の革新的な学説は、時代を何世紀も先取りしていたばかりか、現代科学の大きな前進を予言してさえいた。

タブーとされていた被写体に向かう

彼は、無限の宇宙と複数の世界という見方を提唱した。それは、旧来の地球中心の天文学を否定しただけでなく、コペルニクスのモデルをも超えていた。宇宙は固定されたものではなく「無限」だと主張し、ほかの惑星に生命が存在することを示唆したのだ。その結果、キリスト教会と科学機関から容赦ない攻撃を受け、宗教裁判所に逮捕され、1600年火刑に処された。

つねに死の危険にさらされながらも、ブルーノは真実だと思うことを堂々と公言した。以下の言葉はよく引用される。「数が多いというだけで、多数派と同じように考えようとするのは、志が低い証拠である。真実は多数派が信じるか否かによって変わるものではない」。

現代アートの世界でも、伝統的なフォームやテーマを拒むことにはリスクが伴う。たとえそれが社会の進歩につながるとしても、である。

アメリカの写真家、ロバート・メイプルソープは、自分が写真という表現方法を選んだのは、それが「今日、存在する狂気を表現する完璧な媒体だと思えたからだ」と語った。1970年代から1980年代にかけて、彼はその時代にはタブーとされていた被写体を臆することなくカメラに収めた。なかでも最も広く知られたのは、ゲイの欲望および、サディズムとマゾヒズムの探求だった。

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