無責任なヤツほど出世する残念な職場の正体 説得力のある嘘つきが支配力を持つカラクリ
以下のそれぞれの質問について、番号を一つ選んでください。
Aに近いほど小さい数字、Bに近いほど大きい数字となる。
Q1)あなたは上司と意見が対立したときどのように対処しますか?
A.あくまでも自分の意見を主張する
1 2 3 4 5 6
B.すぐ自分の意見をひっこめる
などの計5問だ。
出世を決める35要因を分析すると?
実はこれ、経営学者の清水龍瑩(しみず・りゅうえい)氏が「出世を決める要因」を探索する際に使った調査項目の一部である(「わが国大企業の中間管理者とその昇進」1984年)。
先の5個の質問では、Q1=「積極性」、Q2=「昇進意欲」、Q3=「体力」、Q4=「楽観主義」、Q5=「几帳面」を聞いている。
論文では他にも、「やる気」「競争心」「自己研鑽」「闘争心」「社交性」「運についての自信」「能力についての自信」「交渉力」「部下のモチベーション」「適応力」「指導力」「部下の能力開発」「協調性」「明るさ」「決断力」「計画力」「企画力」「批判精神」「柔軟な考え」「論理性」「忠誠心」「ゴマスリ」「ワークホリック」「頼りになる先輩」「上司に密着」「責任感」「忍耐力」「品位」「公平さ」「思いやり」の計35項目の質問が、SD法(6段階)で測定されている。
ちょっとばかり専門的な説明をしておくと、SD法とは、SemanticDifferentialmethodの略で、心理学測定法のひとつだ。
例えば、「明るい―暗い」「楽しい―悲しい」などの対立する言葉や文章を用いて、どちらに近いかを回答者に5~7段階で示された図に○をつけてもらい、得点化する。1980年代まで、心理学や社会学調査で頻繁に使われた手法である。
清水氏の調査では、上記35項目と「昇進」との関連を統計的な分析により検討。調査対象は、日本電気、日立製作所、東芝、三井物産、三菱商事、日商岩井(現・双日)といった昭和の日本を代表する「メーカー」と「商社」に勤める、40代の社員、計1470人である。
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