トランプ氏がポルノ女優について話さない謎 いつもだったらツイートの嵐なのに…

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今年に入ってから、トランプ政権はロシア疑惑ではなく、美形のポルノ女優、ストーミー・ダニエルズ(本名ステファニー・クリフォード)氏との一件で崩壊するのではないかと見られるようになっている。ダニエルズ氏と同氏が雇った攻撃的な弁護士は、ひるむことなくトランプ氏に立ち向かっている。

コーエン氏は大統領選挙の直前、トランプ氏に代わってダニエルズ氏に13万ドル(約1400万円)を渡し、トランプ氏と肉体関係を持ったことについて口封じを図った。トランプ氏がダニエルズ氏と寝たとされるのは、メラニア夫人が息子のバロン君を出産した、わずか4カ月後のことだ。

コメントもツイートもなし

コーエン氏は、トランプ氏のあずかり知らぬところで個人的に13万ドルを支払ったと言い張っているが、これは違法な選挙献金に当たると見られている。

謎なのは、トランプ氏がなぜダニエルズ氏を特別に恐れているように見えるのか、だ。トランプ氏は、ダニエルズ氏と関係を持ったのとほぼ同時期に米男性誌『プレイボーイ』の元モデルとも長期の不倫関係にあったことが暴露されている。が、こちらについてはさほど困惑した様子はない。しかし、ダニエルズ氏については、いつものトランプ氏とは違ってコメントを拒否し、ツイートもいっさい行っていない。

トランプ氏に更迭されたジェームズ・コミー元FBI長官の回想録も、発売前から内容が漏れ始め、トランプ氏を激怒させた。トランプ氏は、コミー氏を「ゲス野郎」とののしった。批判本の著者をけなすことで、その本を公式発売日の前からベストセラーの第1位に押し上げるという皮肉な結果をまたも招いてしまった。

シリアの化学兵器施設に対する空爆で世の中の関心がそらされているように見えても、それは一時的な現象にすぎない。いま広がっているのは、コーエン氏に関する捜査がトランプ氏にとって最大の危機につながりかねない、という見立てなのだから。

エリザベス・ドリュー ジャーナリスト

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エリザベス・ドリュー / Elizabeth Drew

近著に『ウォーターゲート事件とニクソン失脚に関するリポート』がある

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