日経平均、ファナック急落でも続伸の理由 個人投資家は「連休前の手仕舞い売り」
[東京 27日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続伸となった。2019年3月期の大幅減益見通しを発表したファナック<6954.T>が急落し、機械、ハイテクなどに売りが波及したほか、大型連休を前に個人投資家などの手仕舞い売りが観測された。ただ、米株高や円安を支えに海外勢などの買いがこれを消化し、しっかりした値動きとなった。
TOPIXは0.29%高だった。東証1部の売買代金は3兆3144億円。セクター別では、ガラス・土石製品が上昇率トップ。不動産、石油・石炭、陸運、情報・通信などが続いた。一方、海運、銀行、ゴム製品などは下げが目立った。機械、電気機器も下げた。
日経平均は寄り付き直後、2万2500円の節目に接近したが、ファナックの急落を受けて市場心理が悪化し、上げ幅を削った。前場は日銀金融政策決定会合や南北首脳会談の結果を待つ様子見ムードが広がった。ランチタイムに発表された日銀会合の結果は金融政策の現状維持で、無難通過となった。
後場は大引けにかけ、じり高で推移。再び2万2500円の節目に接近する場面もあった。大型連休を前に様子見ムードが意識された一方、売買代金は膨らんだ。市場では「このところ海外勢のまとまった資金が入ってきているようだ。大型連休を控えて個人投資家が手仕舞いで売ったところを、海外勢が買うといった構図で、売りが消化されていたのではないか」(証券ジャパン・調査情報部長の大谷正之氏)との見方が出ていた。
個別では、京セラ<6971.T>が前日比で10%を超す上昇となった。同社は26日、2019年3月期の連結当期利益が前年比63.8%増の1340億円になるとの業績予想を発表した。想定為替レートは対ドル105円に設定している。高機能部品の需要増などが寄与する。同時に自社株買いを実施するとも発表し、好感した買いが先行した。
一方、日立建機<6305.T>は反落した。2019年3月期の連結業績(IFRS)見通しを売上高が前期比1.0%減の9500億円、営業利益が前期比10.2%減の840億円の見通しだと26日に発表した。需要が堅調で販売増を見込むが、想定為替レートを1ドル100円、1ユーロ120円と保守的に設定したことが影響した。
東証1部の騰落数は、値上がり983銘柄に対し、値下がりが1019銘柄、変わらずが81銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 22467.87 +148.26
寄り付き 22466.66
安値/高値 22357.53─22495.56
TOPIX<.TOPX>
終値 1777.23+5.10
寄り付き 1778.56
安値/高値 1771.58─1780.38
東証出来高(万株) 188212
東証売買代金(億円) 33144.33
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