リニア時代に新幹線と在来線はどう変わる? JR東海の金子新社長にインタビューで迫る
新幹線に磨きをかけていく
――昨年で民営化30年を迎えた。来年で平成も終わる。この30年という節目はJR東海にとってどのような位置づけなのか。今後の大動脈はどう変わっていくのか。
昭和39(1964)年に東海道新幹線が開業して、昭和62(1987)年に国鉄が解体された。その23年間は非常に変化の少ない期間だった。0系という車両をずっと使って、新幹線が利益を生み出し、それで国鉄の赤字を補填するという構図だった。だが、新しい私たちの会社になって、新幹線が経営の屋台骨となる構造に大きく変わった。典型的なものが車両のモデルチェンジ。300系、700系、N700系、N700A、そして今度はN700Sと、次々と新しい車両を送り出している。その間に速度も向上した。すべての駅をリニューアルしてきれいにした。
節目を迎えたから一区切りということはない。新幹線の完成度はそうとう高まったが、リニア中央新幹線の完成までまだ約10年あるので、今後も東海道新幹線の競争力を強化するための投資を継続していく。2020年春には700系が引退しすべての列車が時速285kmで走れるようになる。そうするとたいへんよいダイヤが組める。さらなるスピードアップの検討など、ますます磨きをかけていきたい。
――新幹線のサービスは今後どう変わる?
ぜひ推進したいと考えているのがチケットレス化だ。切符の販売は窓口からネットに大きくシフトしている。クレジットカードを登録すれば交通系ICカードで乗れる「スマートEX」というサービスを昨年9月に開始したことで、現在チケットレスの比率が3割ぐらいになった。リニアの開業に向けて、ぜひ主力はネット販売という形にしたい。
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