フレックス制なのに「柔軟性ゼロ」への疑問 コアタイムは9時~17時、会社の思惑は?

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通常、フレックス制なら始業・終業時間は労働者の自由だが…(撮影:今井康一)

「うちの会社、フレックスタイム制なのに、(出勤義務がある)コアタイムが9時から17時なんですよ」。苦笑いで話すのは、都内の会社員・望月かおりさん(仮名・30代)。

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

通常、フレックス制なら始業・終業時間は労働者の自由。通勤ラッシュを避けたり、子どもの送迎に使ったりと有効活用している人も少なくないはずだ。

しかし、望月さんの場合、休憩1時間だからコアタイムは7時間。柔軟性はほぼないといえる。「結局、通勤ラッシュに巻き込まれるし、これじゃ普通の働き方と一緒だと思うんですけど……」(望月さん)

望月さんの場合、基本的には土日が休みだが、月2回の土曜出勤(9時~17時)がある。このようなフレックス制は有効と言えるのだろうか。また、会社側にはどんな意図があると考えられるだろうか。竹之内 洋人弁護士に聞いた。

長すぎるコアタイムは無効になる

――こんな長時間のコアタイムは有効と言える?

「法令上、コアタイムを設けることは要件ではなく、なくてもかまいません。設ける場合は労使協定で定めることとされています。

もっとも、フレックスタイム制の趣旨は、就業時間の自由度を高めることにより、労働者の生活と仕事の調和を図ることにあります。コアタイムがあまりに長すぎるような場合は、フレックスタイム制の適用が無効となると考えられ、その旨の行政通達も出されています。

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