靴通販「ロコンド」急成長でも株価急落のワケ 田中社長はツイッター上で「質問大会」を開催

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上場による資金調達で現預金は約30億円に増え、投資できる体制も整った。CMを今後2年間投入することを前提に、会社側は2019年2月期に10億円の営業赤字、2020年2月期には営業益均衡圏を見込む。そして2021年2月期には営業利益30億円と、約3億円だった前2018年2月期と比べ、10倍に拡大させる計画だ。

「(今回の計画に)いろいろと批判があることは十分理解している。株価を見ても、批判的な声があると承知している」。決算説明会で田中社長はそう受け止めながらも、CMの投入は3~5年後の利益や株価を最大化するための最適な方法との認識を示した。

ツイッター上でのやり取り

4月13日の決算発表後の週末には、田中社長が自身のツイッター上で、決算の詳細について、ツイッター利用者からの質問に逐一答える場面もあった。やり取りの中で田中社長は、「株主は皆、同じ船に乗っている仲間。今回私が指し示した航路に対し、志を共有する『同志』が結束するのがあるべき姿だ」と持論を展開し、中長期的視点での戦略の妥当性を強調していた。ただ、4月17日早朝に田中社長のツイッターアカウントは削除されたようだ。

ロコンドの田中裕輔社長。決算発表後の週末はツイッター上で業績に関する多くの質問に答えた(記者撮影)

3月の速報値ベースでの同社EC事業成長率は、前年同月比45%のプラスと好調な出足となった。CMの本格的な効果の発現は今年度の下期以降を見込むが、会社が計画するような高水準での成長率を維持していくことは容易ではない。

欧米では日本以上に靴のネット通販が浸透しているとはいえ、地理的条件の違いや物流事業者の人手不足の問題もあり、国内でどこまで伸びしろがあるかは不透明だ。CMという真正面からの宣伝手法をテコに結果を出し、株式市場からの支持を得ることはできるか。

真城 愛弓 東洋経済 記者

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まき あゆみ / Ayumi Maki

東京都出身。通信社を経て2016年東洋経済新報社入社。建設、不動産、アパレル・専門店などの業界取材を経験。2021年4月よりニュース記事などの編集を担当。

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