靴通販「ロコンド」急成長でも株価急落のワケ 田中社長はツイッター上で「質問大会」を開催

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他社との差別化で当初から打ち出してきたのが、返品無料サービスだ。衣料品などのEC(ネット通販)は、「試着ができない」障壁が立ちはだかり、特にフィット感が重視される靴は、ネットでの販売が難しいといわれる。そのためロコンドは、無料で返品やサイズ交換を受け付け、自宅で試着してもらう感覚での購入を促すことで、リピーター顧客を獲得してきた。

百貨店などに入る中高価格帯のブランドも数多く取りそろえ、業績は順調に拡大。2017年3月には東証マザーズへの上場を果たし、商品取扱高は右肩上がりの成長を続けている。

「認知度はゾゾさん水準を目指す」

上場から1年。ようやく安定的に利益を稼げる状態に入ったこのタイミングで、テレビCMを展開するのはなぜなのか。4月16日に本社で開かれた決算説明会では、莫大な先行投資を疑問視する質問が複数出た。

サイトの主要顧客は都市部に住む30~40代の女性だ(写真:LOCONDO.jpホームページより)

最大の狙いは、認知度向上だ。同社の顧客はリピーターが圧倒的に多く、今後の成長に向けては新規顧客の取り込みが課題となる。国内のファッションECで1位に君臨するのは、スタートトゥデイが運営するゾゾタウン。ロコンドと比べ顧客年齢はやや若く、商品単価も低いため、ターゲット層は多少異なるが、CM投入で認知度をゾゾに匹敵するレベルに押し上げることをもくろむ。

「あくまで当社の強みは靴で、ゾゾタウンと同じになるつもりはまったくない。ただ、認知度や取扱高はゾゾさん水準を目指す」(ロコンドの田中社長)

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